社会の哲学

過程と結果とキャンセルカルチャー

給食でうずらのたまごを食べた小学生がのどをつまらせて亡くなった。それに対して保護者は、予見できなかったのかと学校を批判している。 亡くなった事自体は悲しいことだが、それからのいろんなできごとや対応については、なんだかなぁと思う。自分の住む県…

マルクスの『資本論』解説本を読み漁った

このまえ図書館に行ったら『資本論』解説本が目についたので何冊か借りて読んだ。 武器としての「資本論」 作者:聡, 白井 東洋経済新報社 Amazon いま生きる「資本論」 (新潮文庫) 作者:優, 佐藤 新潮社 Amazon 人新世の「資本論」 (集英社新書) 作者:斎藤幸…

じゃあ、どうしたらいいの?っていう

職員76人が関与 なぜ虐待が横行 - Yahoo!ニュース 神奈川の障がい者施設で、職員が重度の知的障がい者を虐待していたのに施設は隠蔽し、管轄する県庁も放置していた問題。この施設には、自分の大便を天井に投げつける入所者がいて、この障がい者の暮らす部屋…

リバタリアンが集まる町はユートピアになるのか実験した話

この前新聞の書評で面白そうな本を見つけたので早速読んでみた。 リバタリアンが社会実験してみた町の話:自由至上主義者のユートピアは実現できたのか 作者:マシュー・ホンゴルツ・ヘトリング 原書房 Amazon リバタリアンは自由至上主義者と呼ばれ、なるべく…

車検費用が高すぎてショックだった

8月に車検が切れるので車検見積もりに行ってきた。 20年前の軽トラに乗ってるのでまぁ車検代だけでは済まないだろうなぁと思って覚悟はしていたが、追加整備こみで14万近くかかるとのこと。車検を通すのとは関係ないタイミングベルトの交換も追加すると20万…

『AV女優の社会学』から見たポルノハバー

この前ネットサーフィンしてたら「ポルノハバー」なるものを知った。ポルノハバーというのは、pornohubというサイトに動画をアップしてお金を稼ぐ人のことだ。ユーチューバーのポルノハブ版である。男性諸君のほとんどがこのサイトを知っているはずだ。昨日…

百姓は資本主義のカウンターカルチャーたりうるか

『反逆の神話』を読み終わった。 反逆の神話〔新版〕 「反体制」はカネになる (ハヤカワ文庫NF) 作者:ジョセフ ヒース,アンドルー ポター 早川書房 Amazon いやぁ面白かった。自分の考えていたことをキレイに言語化してくれた一冊だった。こういうのを読みた…

干し柿たくさん作ったよ☆

にわになったたくさんのかきをほして、たくさんほしがきをつくりました。 おいしいおいしいほしがきになるといいな。 (娘) 私のしわい人生は、ちょうど渋柿のようであった。 会社に干された私は、一念発起して起業した。 今では干し柿のように、甘く熟した…

森林は理想的な福祉社会だった

『樹木たちの知られざる生活』を読み終わった。 樹木たちの知られざる生活 森林管理官が聴いた森の声 (ハヤカワ文庫NF) 作者:ペーター ヴォールレーベン 早川書房 Amazon 自然とか森林とか、山とかに興味がある人は絶対に読んだほうがいい! 木についての見…

国家 罪 中動態

100分で名著、吉本隆明の『共同幻想論』を観た。 吉本隆明『共同幻想論』 2020年7月 (NHK100分de名著) 作者:先崎 彰容 NHK出版 Amazon 国家の成立には、人々が共同の幻想を抱くことが寄与している。 共同の幻想というのは、つまるところ「罪の意識」である。…

ニートに戻ったら思考が豊かになったからやっぱりベーシックインカムは導入すべきだ

解体の仕事も一段落したのでニートになった。 これは自分だけなのかそうでないのか分からないけど、働いていないときはお金のことをまったく考えなくてよくなるから思考のリソースをいろいろなことに使えるんだわ。 逆に働いているときはお金のことばっかり…

社会の見えない圧力について

何かについて少数派にいると、多数派からの見えない迫害を食らうことになる。 多数派は迫害していることに気付かない。しかし誰も悪くないし、責任がない。 だからからなのかな、どうしようもない苛立ちを覚えることになる。 自分はスマホ所有者でもなければ…

寝そべり族が資本主義を終わらせ環境問題を解決する

中国で寝そべり族と呼ばれる若者が増えているらしい。 寝そべり族とは、結婚せず、適当に働いて、だらだらと生きる、永遠に寝そべっていたい人たちのことである。日本でいうところの、ひきこもりとかニートみたいな感じだろうか。中国政府はこの寝そべり族に…

空き家対策と他拠点生活に関してのメモ

空き家対策として移住支援があって、すべての自治体がいろんな特典を打ち出してどうにかこうにか人口を増やそうとしている。 それは間違っていないと思うのだけど、そうするとふるさと納税みたいに過度な競争を招いて自治体は疲弊することになる。 日本の人…

日本は反出生主義国家へと舵をきるべきではないだろうか

この前新聞で反出生主義についての記事を読んだ。 反出生主義について明確な定義はないらしいが、「生まれてこないほうが良かった」と考える思想のことである。この思想をおしすすめていくと人類の絶滅につながる。子どもを産むことを否定するわけだから。 …

組織に関するメモ

国家や宗教、企業など、さまざまな組織がこの世界には存在していて、それぞれの組織は何らかの目的をもって組織されている。 しかし奇妙なことに、組織は往々にしてその目的からずれたことをする。 たとえば宗教をみても、キリスト教やイスラム教、仏教など…

googleは今後、製薬会社に転身するだろう

ガルヴァーニが開発を目指すのは、体内の神経信号をモニタリングできる埋め込み式の小型機器だ。さらに、こうした機器を使用することにより、関節炎や糖尿病、ぜんそくなど多くの慢性疾患に見られるインパルス(活動電位)の不整や変化といった問題にも対処…

神と紙 なぜ神は死んだのか

『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』(以下『プロ倫)』でマックスウェーバーは、利子を否定し禁欲的生活を送るプロテスタントの倫理が、逆説的に資本主義の精神を育んだと主張している。 プロテスタントの倫理と、資本主義の精神という一見関係…

資本主義と『マトリックス』

子どものころ映画『マトリックス』が公開されて、あのリンボーダンスで銃弾を避けるシーンをよく真似した。『マトリックス』といえばやっぱりアクションシーンがクローズアップされるけど、大人になった今観返すと、あの世界観に衝撃を受ける。あの映画は学…

資本家と労働者の分け方

matsudama.hatenablog.com この前、上の記事を書いて、じゃあどうやって資本家と労働者に分けるんだろうと考えた。1パーセントの資本家と99パーセントの労働者。これは一つしかない、学校さ。 そもそもどうして学校が存在するのかといえば、社会を支える…

マルクス『資本論』 資本家と労働者は支配者と被支配者なのか

『資本論』では、資本家は支配者、労働者は被支配者として描かれている。 これね、僕は「企業」という枠組みでなら正しいと思うんだけど、「(資本主義)システム」という枠組みなら違うと思うんですよ。 このシステムにおいての資本家と労働者は、支配者/被…

ワーケーションが危険な制度だと思う理由

近頃「ワーケーション」という言葉をよく耳にする。 「ワーク(仕事)」+「バケーション(休暇)」を組み合わせた造語らしい。 休暇で訪れた旅先で遊びも楽しみつつ、仕事もするみたいな制度。 滞在にかかる費用に補助金が出たりと、行政側の支援もある。 …

『エクソシスト』って哲学的にも価値ある作品だよね

この前報道で、俳優のマックス・フォン・シドーが亡くなったことを知った。彼の出演作に『エクソシスト』があって観てみようかと思って借りてきた。 エクソシスト ディレクターズカット版 (字幕版) 発売日: 2013/11/26 メディア: Prime Video たぶん『エクソ…

ネオサピエンス

ネオサピエンス 回避型人類の登場 作者:岡田 尊司 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2019/11/21 メディア: 単行本 『ネオサピエンス』を読み終わった。 非常に興味深い内容だった。なぜなら自分は明らかにネオサピエンスだからだ。 ネオサピエンスという言…

ジョーカーとマルクスはコインの表と裏だなと思った

ジョーカー(字幕版) 発売日: 2019/12/06 メディア: Prime Video ゲオに行ったら『ジョーカー』が置いてあったので借りてきた。 はてなブログを含めて去年の映画界で大きな話題を作った作品だったのでずっと気になっていた。 昨日さっそく観たのだが、やっぱ…

ドリームハックする時代

昨日は変な夢を見た。 映画マトリックスみたいな夢。 高所にある高速道路の上から僕は飛び降りた。ものすごい風圧を受けながら僕は落下する。地面に激突し地面が波打つが、僕は無傷だった。そのまま僕は地下鉄の駅のような空間へ急ぐ。そこで僕は仲間ととも…

むしろ結婚は経済合理的で、恋愛が経済不合理なのだ

p-shirokuma.hatenadiary.com シロクマの屑籠さんのブログ記事を読んだ。 とても面白かった。なんか、内田樹の文章を読んでいるような感覚になった。 この記事では、若者が恋愛も結婚もしなくなったのは、経済的に不合理だからと書かれている。資本主義のロ…

100万円で家を買い、週3日働く

100万円で家を買い、週3日働く (光文社新書) 作者: 三浦展 出版社/メーカー: 光文社 発売日: 2018/10/16 メディア: 新書 この商品を含むブログを見る 100万円で家を買い、週3日働くというのは羨ましいライフスタイルだよなぁと思うが、他の人はどうなんでし…

京大的アホがなぜ必要か―カオスな世界の生存戦略

京大的アホがなぜ必要か カオスな世界の生存戦略 (集英社新書) 作者: 酒井敏 出版社/メーカー: 集英社 発売日: 2019/03/15 メディア: 新書 この商品を含むブログを見る 前々から読みたかった本。やっと読み終える。 京大的アホというのは、傍から見たら非常…

街もシェアしよう! ― デュアルライフの提案

定着しつつあるシェアの文化 サービスやモノをシェアする文化が定着しつつある。 車なんかはそれが顕著で、所有するものからシェアするものへとなりつつある。配車サービスを利用して、自分が必要なときにだけ車を利用するのが当たり前になる時代が訪れるだ…