社会の見えない圧力について

 

 何かについて少数派にいると、多数派からの見えない迫害を食らうことになる。

 多数派は迫害していることに気付かない。しかし誰も悪くないし、責任がない。

 だからからなのかな、どうしようもない苛立ちを覚えることになる。

 

 自分はスマホ所有者でもなければ、ラインもしない。ガラケー愛用者なのだが、メールアドレスもないので、何か連絡があれば電話番号あてにショートメールを送ってもらっている。

 ショートメールは無料なので、送ってくる相手も無料だと思っていた。だが違うらしい。一通送るごとに10円か20円とられるらしい。まじか。

 

 「どうしてラインやらないの?韓国に情報をとられるのが嫌なん?」

 「いやーそういうわけではないんですけど…」

 

 自分はそもそも携帯を持つのも嫌だ。煩わしい。映画観たり、読書してるときに、携帯がメールか電話を受信すると、集中がかき乱されるやん。携帯だから携帯しとかなきゃいけないし。それでもガラケーは無視できる。気づかなかったことにしとけばいい。

でもラインはそういうわけにはいかないやん?ラインってものすごく早く返信しなきゃいけない文化がある。いや自分はラインをしたことがないから知らんけど。そんな雰囲気を感じる。「既読無視」とか「既読スルー」みたいなクソ文化があるのもいやだ。

 

 

 今日京大教授の「不便益」に関する本を読んだ。

 

 作者の川上って人も携帯を持ってないらしい。

 で、相手も、携帯を持ってない前提で接してくれるから、携帯がなくても問題ないらしい。

 

 でもさぁ、もう携帯ってインフラ化してるから持たないわけにはいかないんよ。

 この時代において、スマホを持ってないと変わり者扱いされる。べつに自分は変わり者扱いされたくはないのだ。

 で、自分はガラケーで良くても、それによって相手に迷惑をかけているとガラケー所有であることに罪悪感を感じ始める。ラインならタダなのに、ショートメールなら送るたびに10円か20円とられるわけだから。そりゃ相手からすればラインをしてくれよって思うわな。

 

 こういう生きづらさというかしんどさって、スマホ所有者、ラインをやってる人には絶対分からないものだよな。あぁイライラする。

 

 で、誰もこれは責められないんよ。

 ショートメールで金とるのも、今時ショートメールで連絡とる人なんてほとんどいないわけで、企業としては、はやくこのショートメールシステムを終わりにしたいと思っているはずだ。でも、自分のようにそのシステムがないと困る人も一定数いるわけで、だからこそ、ショートメールシステムを残しているのだ。そういうことを想像すると、企業に対して「金とるなよ」とイライラするのは筋違いで、むしろ感謝しないといけない。それならこのイライラはどうやって処理すればいい?メルカリも自分はパソコンでやっているのだが、いつのまにかさまざまなサービスがウェブ版では利用できなくなった。しかたがないのか。

 

 

 話を変える。

 この前知り合いと原発の話をしたのだが、自分は「10年前にあんな大事故が起こっているのに40年以上使った原発を再稼働させるのはおかしい」と言ったのに対し、知り合いは「でも、みんな電気を使う生活をしているのに、原発を使うなというのはおかしいんじゃないの?」と言った。

 

 それはそのとおりなのだ。

 でもこれも社会の見えない圧力が存在している。

 むかしむかし、おじいさんは山へしばかりに、おばあさんは川へ洗濯へ行っていた。

 こういう生活のスタイルでは、電気を一切使わないから、当然原発はいらない。

 

 技術が発展し、洗濯機が一般に普及した。

 洗濯機を家に導入したら、当然電気を使う。

 べつに今だって洗濯機を使わず川へ洗濯しにいってもいいのだ。私たちは川で洗濯する自由がある。しかし今の時代に、一体だれが川に洗濯しに行けるというのだ?川で洗濯していたら、「え、あの人何してんの…?」という目で見られるだろう。私たちはこうして洗濯機を使わないわけにはいかないのだ。このように、見えない圧力がたしかに社会には存在していて、ほとんどの人はこの圧力には気づかない。

 洗濯機に限らず、他のもろもろの家電がこういう次第なので、結局誰もが電気を使う生活になる。そして「電気を使ってるのに、原発使うなはおかしいんじゃない?」ということになる。電気を使っている以上反論できないのだ。

 

 反論できるようにするようには、結局自分で電気を作れるようにするしかない。あるいはまったく電気を使わない生活をするか。電気を一切使わないというのは難しいので、自家発電の方策を探る。

 今日は知り合いたちが、泥に電極をさして発電するという実験を行った。泥は発電していた。不思議だ。自分も自力で電気をまかなえるようになりたいと思う。