日本は反出生主義国家へと舵をきるべきではないだろうか

この前新聞で反出生主義についての記事を読んだ。

 

反出生主義について明確な定義はないらしいが、「生まれてこないほうが良かった」と考える思想のことである。この思想をおしすすめていくと人類の絶滅につながる。子どもを産むことを否定するわけだから。

 

なんだこの暴論は!?と一瞬思うが、よくよく考えればこの思想は最強で、これからの時代に受け入れられるべき考え方だと思うし、なにより日本はこの思想と相性がいいと思うのだ。

 

その理由を説明しよう。

日本人は、学校と家庭における“見事な”教育のおかげで自己肯定感が先進国のなかでもダントツに低い。日本人の美徳として謙虚さがあげられるが、裏を返せば単に自分に自信がないだけともいえる。

よく親同士の会話で「おたくの子どもさんは本当に素直でいい子ねぇ」と褒められると、「いやいやそんなことないですよ」と謙遜するが、傍にいる子どもはそれをきいて「自分はダメな子なんだな」と思うわけだ。

こんなやりとりがまかり通ってるせいで、日本人はこどものころから自己肯定感が低く「自分には価値がない」と思い込んでいる。

今日NHKの『プロフェッショナル』という番組で田中みな実が特集されていたが、彼女のような、美人で、英語ができて、人気がある人でも、ものすごく自己肯定感が低くて自分は驚いた。彼女のような人間でさえ、自己評価がものすごく低いのだ。いわんや一般人をや、という話である。

 

この自己肯定感が低いということと反出生主義は実に相性がいい。

「自分に価値がない」→「生きている意味がない」→「生まれてこないほうがよかった」という流れ。完璧である。ミスチルの「未来」という曲で、「生きてる理由なんてない、だけど死にたくもない~♪」というくだりがあるが、たぶん日本人の多くがこんなふうに思っているだろう。

 

日本は言うまでもなく、少子化の一途をたどる国であり、政治家が必死にそれを食い止めようとしているが、日本がこれからするべきことは少子化を食いとめることではなく、むしろそれを加速させることだ。

 

「日本がなくなってもいいのか!」とお叱りを受けそうだが、反出生主義はそもそも人類の絶滅を目指すので、日本どころかすべての国々がなくなるべきなのである。その先導役を日本は担うべきなのだ。

 

反出生主義は人類や地球にふりかかるすべての問題を解決する唯一の思想だ。

コロナウイルス地球温暖化をはじめとする異常気象を一挙に解決する方法は一つしかない。人類が絶滅することである。人類が絶滅してしまえば、コロナにかかる人はいなくなるし、地球温暖化も終わるだろう。地球に悪影響を与えるのは人類だけであり、それ以外の動植物は環境に悪影響を与えないからである。他の動植物にとっても、人類は絶滅したほうがいい。人類のエゴが多くの生き物を絶滅においやったからである。

 

今後AIが普及するにつれて多くの人間が用済みになる。

AIによって職場から淘汰されない人間は、AIを使いこなせる人間だけである。そんな人間が一体どれほどいるのか。ほとんどは掃除や皿洗いといった誰にでもできる低賃金の仕事を奪い合いことになるだろう。

 

多くの人が「自分の人生には何の価値もない」と思うようになる。

AI、コロナ、地球温暖化…これから世界がいい方向に向かっていくと思っている日本人はほとんどいないだろう。そんな悲惨になっていく世界に赤子を投げ込むのはかわいそうだ。

 

反出生主義は人類の絶滅を目指すが、だからといって核爆弾を押したり、戦争をしたりすることを推奨するわけではない。子どもを産まないよう啓蒙し、人類が徐々に絶滅に向かうことを目指す。

 

世界の価値観は多様性を重視するから、子どもを産みたいかどうかは本人の意志にまかせられるべきである。だから反出生主義国家は子どもを産むことを悪とはしない。だが、子どもを育てるのにかかるお金は本人がすべて負担すべきで公的な税金を投入すべきではない。子どもよりはむしろ現役世代の生活に税金を投入すべきだ。と書いたが、もともと日本は子どもの教育にお金をかける国ではないので、やはりこの点でも反出生主義国家の旗振り役にふさわしい。

 

日本がどうあがいても少子化はとまることがないし、むしろ加速していくのは明白である。ならば思い切ってそれを加速させるのがよい。人口の動態を研究する世界中の学者は日本に注目している。なぜなら世界のなkで日本がもっとも少子高齢化の進むスピードが速いからである。人類の今後を占ううえで日本の行く末は大変重要な資料になるのだ。

 

日本は反出生主義国家として世界の国々をリードできる。

自然なかたちで日本人が絶滅し、他国もそれに追随して人類は絶滅する。そうすれば地球はこれ以上ひどい状態にならないし、悲惨なこの世界で苦しむ人々もいなくなる。

 

 

反出生主義の記事では、この思想に反論する展開がなされていた。わたしたちはこれから生まれてくる子どもに生きることのすばらしさを伝える義務があるのだみたいなことが書かれていた。

こういった主張は極めて脆弱な反論であって、これは人間の単なるエゴにすぎない。

地球レベル、いや宇宙レベルでみれば、人間は地球や宇宙にゴミをまき散らして汚染してきた害悪であり、絶滅すべき存在なのだ。

だからといって戦争だ、自殺しろだというわけではなくて、生まれてきてしまったものは仕方ないのだから、出生を抑制して人口減少を加速させましょうという話なのである。これなら誰も、何もかも苦しむことなく自然なかたちで人類を絶滅に導ける。

 

日本はその先頭にたつべきなのだ。