めっちゃ分かる

小中高大そしてこれまでの職場で出会った人の中で議員に立候補しそうな人の顔を思い浮かべると、やっぱりちょっと距離を置きたいタイプの人間の顔ばかり思い浮かぶ。

 

議員に立候補する時点で、上昇志向というか一発逆転志向というか成り上がり志向というか、あんまり関わりたくないタイプの特性を強く含んでいるんじゃないかと自分の心の警報器が鳴り響く。

 

だから議員に立候補してない人の中から議員を選びたいのだけど、残念ながら議員に立候補してない人から議員を選ぶことはできない。

 

どうすれば良いんだ。

 

この増田の言っていること、めっちゃ分かる。おりしも、今統一地方選挙に自分の同級生が出馬していて、その同級生がまさにこの増田が言っているような成り上がりタイプなんだよなー。そしてやっぱり、増田が言うように極力関わりたくない。後援会の案内が着たが、もちろん無視している。

べつに仲が悪かったわけでもないし、なんなら仲良かったほうだし、受験前はよくいっしょに勉強していた。卒業後は離れた大学に進み、それからもう連絡もとってないし、フェイスブックなどでつながっているだけだったが、フェイスブックもアカウント削除したので今ではもうつながりもない状態。

新聞には同級生の動向が載っていて、中学や高校の同級生とスクラムを組み選挙戦に臨んでいるらしい。われわれはまだ若いし、ぜひとも頑張ってほしいが、だからといって自分の時間を割いて協力したいとは思わないし、成り上がり志向や一致団結して勝利をつかみとるんだみたいな、そういうのがもう、なんだか気持ち悪いし、しんどいと思ってしまうようになったので、とにかく関わりたくないのだ。立候補している同級生だけでなく、それ以外のすべての同級生や教師にも会いたくない。

 

なんていえばいいのかなー、現実にはいろんな課題があって、何かを決断しそれを実行に移すと、その課題は解決に向かうかもしれないが、その行為がまたべつの課題を生むという、なんとも言えない状況が発生する。たとえば、かつて日本では人口がどんどん増え建築部材が足りなくなった。それに対応するためにスギやヒノキが山に植林された。それによって、日本人の多くが花粉症に悩むことになった。さらに、外材が輸入されることで日本の林業は衰退し、間伐もされなくなり山は荒れていった。山の多様性は失われ、イノシシや鹿などは餌を求めて人間の畑に侵入し作物を食い荒らした。荒れた山は土壌がゆるくなり土砂災害が頻発するようになった。

物事はすべて、あちらが立てばこちらが立たずみたいな感じで、じゃあ結局どうすれりゃいいんだみたいな話で、政治家というのは本来、それを吟味し、自分のポリシーに従って立場を決め、有権者に決めてもらう存在なんだと思う。どういう立場をとるにせよ、必ず自分の決断と行為は誰かにとっての利益と、またべつの誰かにとっての不利益を生むわけで、政治家というのは本当に大変な仕事だし、それゆえに尊敬されるべき職業だと思う。それがそんなふうに見られていないのは、ひとえにこの国の政治家がクソだからに他ならない。今日の新聞に、子どもたちの将来なりたい職業ランキングがのっていたが、もちろん政治家はランクインしていなかった。それはもちろんこの国の政治家がクソだからに他ならない。

 

思えば、自分の通っていた高校は、受験は団体戦だなんだと言っていた。無垢な自分もそれに毒されていたな。そしてやっぱり、今回の選挙戦も、立候補した同級生や、彼を応援する同級生や教師も、団体戦だと思っているのだろう。べつにそれはそれでいい、自分を巻き込まないでくれるのなら。気持ち悪いと思ってしまう自分のほうがひねくれているのだ。

進撃の巨人』の登場人物であるエルヴィン団長は仲間からの信頼も厚く、視聴者も彼の死には涙したわけだが、彼を突き動かしていたのは真実を知りたいという彼個人の欲求だった。そのために仲間がどれほど死んでいっても、自分の個人的な欲求のために前進し続けた。たまたまというべきか、エルヴィンの欲求は人類の前進と重なっていたが、もしそうでなかったらエルヴィンは日本の政治家と同じ、自分の利益にしか興味のないクソと同じだった。これをどう見たらいいんだろうな、エルヴィンにしても、ザックレー総統にしても、自分の個人的欲求を叶えるために動き続けた人物なんだよな。その点においては、日本のクソ政治家と変わらない。

その匂いを、自分は同級生に感じるんだよな。自分がこの10年かそこらで変わったように、彼もまた変わっているかもしれないけど。

 

政治にしても、行政にしても、社会をよくするためにあるわけで、でも上に書いたように、よくするための行為は必ずどこかでよくない部分を生むのだ。

みんなで手を取り合って頑張ろうぜ、みたいなスクラムに自分が息苦しさを感じるのは、自分がちゃんとしていない人間だからだ。そして、政治も行政も、社会をちゃんとしていくためにあるわけだから、そうなるとちゃんとしていない人間の居場所はどんどん縮小されていく、トー横キッズたちが駆逐されたように。それはある意味で仕方のないことだけど、それはそれで困るのだ。