築80年の馬小屋をリノベーションする ②車のフロントガラスで穴の空いた屋根をふさぐ

屋根に穴が空いている。その周りの受け材も腐ってしまっている。ここを修復したい。

われわれの県は夜に満点の星空が見える。どうせ修復するなら夜に星が見える仕様にしたい。最初アクリル板を組み込もうかと思ったが、車のフロントガラスを組み込むことにした。事故ってヒビが入り交換しないといけなかったのだ。わざわざアクリル板買うの嫌だし、フロントガラスで穴をふさぐことにした。

 

まずは穴周辺の瓦を取り除き、腐った受け材をぶち壊していった。

 

 

受け材の上にヒノキの皮があって、その上に土がかぶせられ瓦が最後にのせてある。土の役割はなんなのだろう?雨が瓦のすき間から落ちても、土にしみ込んで雨漏りしないようにしていたのだろうか、あるいはこれは土壁と同じように最初は泥状態で瓦を固定させる役割があったのだろうか?

 

暖かくなってきたので虫たちが騒いでいる。ヘビやカメムシ、桜の老木にこんこん穴を空ける鳥、そして熊みたいなハチがぶぉーんと音を立てて飛び回っている。

 

フロントガラスを仮置きしてみる。

 

縦約63㎝、横は上123㎝、下130㎝。フロントガラスは台形で、馬の鞍みたいに湾曲している。車というシステムに組み込まれているときは、毎日見ていたのにこういうかたちをしていることに気づかなかった。個として独立すると物事は違った様相を呈する。

 

フロントガラスがずり落ちないよう針金で上に固定し、瓦を置く板を設置する。

 




ここである疑問が思い浮かんだ。

湾曲しているということは、フロンガラスは瓦の上に置かないといけないのではないだろうか。でないとフロントガラスを伝った雨は瓦の下に滑り落ちていくことになる。

 

それで瓦の上に置きなおしてみたのだが、今度は瓦とフロントガラスのあいだのすき間が大きくなってしまった。なにより見た目が嫌だな、以前よりも組み込まれていない感じがする。

 

雨が降り出して瓦がすべるようになったので瓦を置いたところで途中やめにする。すき間だらけだが、雨漏りはしないはずだ。

 

フロントガラスと瓦のすき間をどうしようかと悩んでいる。

土壁の容量で泥であいだをふさぐか、あるいはセメントをつっこむか。

フロントガラスはやっぱり瓦の下に入れこんだほうがいいのだろうか、なんか見た目が気に食わない。雨がすべりこまないように、ガラスと瓦のあいだはセメントでふさごうか。

 

異質なものを組み込むというのは思いがけない問題を生むが、それはそれで面白い。

 

 

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