僕は芸術家の家に居候している。
芸術家は自宅とはべつに山にアトリエをかまえている(写真のやつ)。
月末に光熱費として二万払っている。
それで自由に家やアトリエを使わせてもらっている。
僕は哲学者なので作品制作はしないが。
今日は芸術家にくっついて山へ行った。
今月27日が「国際彫刻day」ということで、作品制作をしている山を開放するのだ。
その準備に追われている。
僕は山で畑がしたかったのでくっついていったのだが、芸術家は準備を優先して手伝ってほしいということで、準備のほうを手伝った。
しかし、芸術家がいろいろと忘れ物をしたせいで、準備がすすまなかった。
結局畑はほとんどできず帰ってきた。
最近金欠になってきたので、芸術家に「トレード」を申し出た。
彼は快く了承してくれた。
彼は、トレードという概念が好きだ。
トレードというのは、金銭を介さない交換のこと。
僕は、山での手伝いと光熱費を「トレード」してほしいと頼んだ。
山仕事は今までボランティアで手伝っていて、正直あまりやる気が出なかったが、光熱費のかわりに手伝うことになったのでちゃんと手伝おうという気分になった。
トレードというのは、田舎の「おすそわけ」みたいなものだろうか。
僕のおばあちゃんは、向かいの家の庭をよく掃除してあげてた。
そしたら、そのお返しに向かいの家の人は高級なおかしをくれた。
おすそわけは金銭を介さない交換のことだけど、お金が絡んでこないとなんとなく心持が変わってくる。
うまい具合に言えないが。
トレードを文化人類学の観点から考えてみると面白いかもしれない。