気が狂うほどまともな日常

 今日も芸術家の手伝いで山に行く。

 

 手伝いの途中トイレへ行き、用を足してトイレから出るとウグイスの鳴き声が聞こえてきた。

 

 その場で立ち止まり、春の心地よい風に吹かれながらウグイスの鳴き声を聞いていると、なんだかとても穏やかな気分になってきた。

 

 ゆっくり呼吸をしながら、「自分はどうしてこんなにせかせかしているのだろう?」と思い始めた。

 

 豊かな自然に囲まれてゆっくりしていると、都会のあわただしさに揉まれていることがばからしくなってくる。

 

 それでも、都会へ戻るとそのことも忘れ、いつのまにかせかせかしてくる。

 

 自然のリズムに身をまかせていると、あわただしく過ぎ去っていく世界のほうがおかしいのか、それともそのように思う自分の感覚がおかしいのか分からなくなる。

 

 BUMP OF CHICKENの『ギルド』の一節に、「それもすべて、気が狂うほどまともな日常」とあるが、本当にそのとおりだと思った。

 

BUMP OF CHICKEN

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