あぁ、やっぱり自分もゆとり世代なんだと認識した

 僕は今27歳で、ゆとり教育を受けてきた世代にあたる。

 

 メディアなどではゆとり世代をテーマにしたドラマがあったし、ゆとり世代をバカにした記事などがよくある。

 そういうのを見ても、「ゆとり世代といってもいろんな個性を持つ人がいるわけだし、一括りにできないでしょ」とか「ゆとり世代のなかでも自分自身はべつだ」という感覚があった。

 

 そういうふうに思っているので、世間が「ゆとりが~」と言っても「まぁ自分には関係ない話だ」と思っていた。

 

 芸術家とのやりとり

 僕は今75歳の芸術家のもとに居候しているのだが、僕の師匠?である芸術家からいろんなことを言われる。

 

「君は非常に無口だ。まったく表現しないし、感情の起伏がない」

 

「私らのころは、もっと人と議論してぶつかりあっていたものだ。でも君らの世代はあまりそういうことをしてこなかったのかな?」

 

「君は融通がきかんな。言われたことはきっちりやるんだが、それ以外のことをやろ

 うとしない」

 

 「私なんかは言われていないことでも勝手にやってしまった。勝手にやって怒られてもそれで終いで、べつに何ともない。むしろ感謝されたよ」

 

 僕はこういうことを師匠である芸術家からよく指摘される。

 

 師匠はよく世代の話をするのだが、

 

「君があまり表現しなかったり人とぶつかり合わないのは、君自信の個性なのかな、それとも君ら世代の問題なのかな?」と聞かれる。

 

それに対して、僕は「うーん、よく分かりません。僕の個性なんじゃないですかね。」と答えていた。

 

 僕は、今まで日常のなかで世代を意識することがほとんどなかったし、世代の特徴なんて、あってないようなものだと思っている。

 

 ゆとり世代のなかの自分というものを考えたことはなく、自分は自分だと思っているので、君ら世代の問題なのかと言われても、なんだかよく分からなかった。

 

 

ゆとり世代が電話を取り次がない衝撃理由

 

 今日ヤフーニュースを読んでいたら、こんな記事があった。

headlines.yahoo.co.jp

 

 記事では、企業幹部による座談会が掲載されていて、ゆとり世代が話題にされていた。ゆとり世代の社員はどんな特徴があるのかについて話していた。

 

【小売】よく言えば優等生なんだが、失敗を怖がる点では共通しているよね。昔は若いうちは失敗して成長するのだという懐の深い企業文化があった。でも今は中学・高校時代から教育現場でも失敗はよくないという雰囲気になっている。とにかく失敗したくないと思っている。

 【サービス】それでいて教えてもらっていないことを勝手にやって失敗することもある。しかし、叱られることを極端に嫌がる。「教えてもらっていませんから」と平気で言う。僕らの時代はそんなことを言えば先輩社員から「ふざけんじゃないよ、おまえうまくやれよ、わからなかったらちゃんと聞きに来いよ」と叱られたものだ。

 【製薬】昔の人に比べてストレス耐性が低くなっている。失敗すると誰でも落ち込むが、回復するのに時間がかかり、回復する力も相対的に弱いね。やはり失敗はよくないという教育を受けてきているからだろう。

   

【サービス】じつは経営幹部が集まって重要な会議をしていたんだが、ゆとりに「会議中は誰も中にいれるな、電話もつなぐな」と言っておいた。そうしたら社長が緊急の要件で会議室にいる役員を呼べと電話してきたが、ゆとりは「今、会議中です」と断ったらしい(笑)。当然、社長は、俺は社長なのにどうして電話をつながないんだと怒ったらしい。

 後で聞いた役員が、ゆとりに「どうして社長の電話をつながなかったんだ」と叱った。それに対してゆとりは「誰にもつなぐなと言っていましたよね」と言う。それを聞いて「バカヤロー、社長は違うだろ」と言うと「そんなことは聞いていません。社長の場合だけはつなげ、とは言っていませんでしたよ」と切り返したらしい(笑)。

【小売】普通は、社長から連絡が入っています、というメモぐらいは入れるけどね。でもそんなことも言っておかないといけないんだろうね。

 【広告】臨機応変に対応ができない。だけど、命令にちゃんと従っているのは間違いない。もし、ゆとりが「誰も入れるな、電話もつなぐなというあなたの命令に従順に従いました。どうしてあなたは怒るんですか」と言ってきたら、こっちも何も言えない。こんな話はいくらでもあるよ。

 

 今まで芸術家に「君の個性か、それとも君ら世代の問題か」と訊かれてもよく分からなかったのが、この記事を読んで「あぁ、こりゃ世代の問題だ」と納得した。

 

 僕は今までゆとり世代の特徴を話題にされてもしっくり来なかったが、ようやく認識したのだった。

 

ゆとり世代の特徴

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オウチーノ総研の調査より

 

 よく分かる。

 自分は打たれ弱いし、失敗を恐れる。

 仕事よりプライベートのほうがはるかに大事と思っている。

 

 どうしてこういう特徴があるんだろうと考えていた時、次の記事を読んでこれも一つの要因だと思った。

 
www.orangeitems.com

 

彼ら、LINEやインスタで、抽象的につながってる。そして同調できないと見るや、ぶち切られる。いや、我々の時代にもありましたよ。「無視」といういじめ。あれはつらいですよね。ただあの時は、大人に見えやすかったのですが今は違う。表面上は仲良くしていて教師からは普通に見えてて、実は裏でLINEグループをはじかれていたりする。仲良く会話しているのに、LINEではめちゃくちゃ悪口を言ってる。そんな社会形成を高校生までに経験しているんです。
スマホ禁止、なんていっても家では使いますから、無意味。むしろスマホ持っていない人は仲間にすら入れない。
だから、入学式時点で、そんな同調圧力と戦ってきた彼らが、黒スーツ一色なのを誰もとがめることができないと思います。

 

 ゆとり世代が学校に通っていたとき、それはちょうどケータイやスマホが一気に普及していたころだった。

 こういった機器の普及に伴って、いじめは裏で行われるようになった。

 

 同調圧力を内在化した僕たちは、勝手に動くことができなくなっている。

 表向きは仲良くしていても、裏で何を言われているのか分からないから。

 上のグラフにある失敗を恐れたり、スマホに依存したり、積極的に行動しないという特徴は、僕たちが同調圧力を内在化しているところから来ていると思う。

 

まとめ

今までゆとり世代のことなんてあまり意識しなかったけど、芸術家に指摘された僕の特徴を改めて見直してみると、僕の個性でもあるが、同時にそれは世代に影響されたものでもあると認識した。

 

そう考えると、教育の力は想像以上に大きいのだと理解した。

 

また、僕たちはケータイやスマホ、インターネットが社会に浸透した時代の世代でもあるので、テクノロジーも世代の特徴に大きく関与していることも改めて認識した。

 

ゆとり世代より下の世代は、僕たちの頃よりはるかにテクノロジーの影響を受けている。AIなんかは特にそうだ。

 

 これから社会に出てくる子どもたちは一体どんな特徴を持っているのだろう?

 楽しみでもあるし、恐ろしくもある。