少子化を加速せよ

人類がこの先も存在し続けるなら、地球環境がもたないということは明白である。SDGsや脱炭素、再生可能エネルギーなどは焼け石に水である。だから、人類が絶滅する以外に、生物が生きられる環境が維持されることはない。

人類がこの先も存在し続ければ、人間も含めてすべての動植物が生きられなくなる。一方、人類が絶滅すれば、人間以外の動植物は絶滅しないと思われる。人間以外に環境を破壊する生き物はいないからだ。

合理的に考えれば、人類が絶滅するという選択肢をとるべきで、人間がその選択肢をとることを先延ばしにすればするほど、その分多くの動植物が絶滅していく。時間は限られている。

人類が穏やかに絶滅するために、少子化を加速させることが必要である。子どもを産まなくなれば、必然的に人口は減っていき、最終的に絶滅することができる。自殺や安楽死、殺人、戦争をする必要はない。

少子高齢化が進み、残された者の生活は厳しくなる。そのために、行政はコンパクトなまちづくりをする必要がある。人間が分散しているとインフラにかかるコストが高くなるからである。個人としては結婚や、あるいは互助組織をつくるといったようなリスクヘッジが求められる。

生物としては子孫を残し種を繁栄させることが第一なわけで、以上のことは生物としての本質に反している。とはいえ、人間はほかの生物からはみ出している部分(文化をつくるなど)があり、それが人間を人間たらしめ、結果的に地球を支配し、破壊するまでに至った。

資本主義が、マルクスのいうように資本の自己増殖運動ならば、経済は否応なしにグローバル化していき、競争は激化していく。実際に現実はそうなっている。であるならば、その競争に巻き込まれている人間、特に先進国の人間は、ちょうど茹でガエルみたいなもので、資本主義が進めば進むほど、カエルの浸かるお湯の温度は上昇していくのである。だから、いうなれば個人にとってはチキンレースなのであって、お湯の温度に耐えられなくなったカエルからどんどんそのレースを降りていくのである。そういった人間が、不登校やひきこもり、フリーター、ニートとなる。自分から自発的に降りられなかったカエルはうつ病適応障害になる。資本主義の特性上、お湯の温度は上がり続けるので、脱落者は増え続ける。不登校やひきこもり、ニート、フリーター、うつ病適応障害などは今後も増え続ける。

つまり、人類が自分の意思で少子化を加速させることによる絶滅を選ばなくとも、システムの特性によって必然的に少子化が加速する。そして最終的に絶滅する。

アダムが知恵の実を食べて楽園を追い出されてから、あるいは二足歩行を始め自由になった手で道具を作るようになってから、人間は労働を始めシステムを作りあげてきた。そして、最終的にはそのシステムのために、人間は絶滅するのである。これが人間の罪と罰であり、歴史である。