藤川球児の大局的な解説がすごかった

昨日プロ野球の開幕戦があって自分は阪神のファンだから阪神ヤクルト戦をBSで観てたんだが、その解説のひとりが阪神OBの藤川球児だった。自分は高校野球プロ野球もけっこう観るが、こんなに興味深い解説を聴くのは初めてだった。藤川球児は選手としてもすごかったが、解説者としてもすげぇなと思った。なにがすごいって解説がとにかく大局的なんよ。大局って全体的なという意味なんだが、その試合全体だけでなく、シーズン全体、ひいては選手の野球人生全体から解説してて、野球の奥深さを藤川球児に見せてもらった感じ。他の解説者の解説はあんまり印象に残ってないのだが、他の解説者の解説はたしか、ピッチャー目線ならこのバッターはこういう特徴があるから次はこういう球を投げるといいとか、このカウントなら次は一球外に外してとか、そんな感じの解説が多いような気がする。つまり、多くの解説者の解説ってミクロな解説で、バッテリーと対戦するバッター、あるいは次のバッターとの兼ね合いのなかで語られる。一番広い次元でも、その試合全体から現在の回が語られるにすぎない。でも藤川球児の昨日の解説はもっとマクロに語られていてとても興味深かった。昨日の阪神の先発は藤浪晋太郎阪神は早い回で大量得点し、藤浪も5回までは1点に抑えていてだいぶ余裕がある状態だった。それで今季新たに武器にしようとするカーブを試合のなかで練習したりしていた。藤川は、そういうチャレンジをするのは、今後さらに飛躍していくために必要なことだと言っていた。そして、この開幕戦で嫌な印象をバッターに植え付けておくことで2か月後の対戦が楽になると言っていた。なるほどなぁ、プロ野球高校野球と違って同じ相手とこの先何度も対戦するから、この試合での印象が何か月後かの勝負に活きてくるわけだ。もっと興味深いのが、視聴者の「藤浪は今年10勝できるでしょうか」という質問に、藤川は「10勝できるかなんてどうでもいいじゃないですか」と答えていたことだ。10勝とか二けた勝利というのはメディアが記事にするために勝手にこしらえた一つの数字であって、藤浪や他の選手が目指すのはファンや自分を納得させる一球をどれだけ投げるかということなんですよ。大谷くんのように限界を設けずひたすら向上していこうと、そういうふうにしていくことが選手としては大事ということを話していた。結局10勝できるかどうかという質問に答えていなかった。実況や他の解説者は反応に困っていた。藤川のこういう解説に、視聴者の合う合わないはあるだろうけど、個人的には好きだなぁ。あぁこういう解説もあるんだなと思わされた。藤浪が7回3失点で降板しその時点で5点リードだったからまぁ勝つだろうと思ってテレビを消した。そしたら逆転負けしていた。ふざけんなと思ったが、まぁ阪神らしいなと思った。