村西とおるの自己啓発本は良かった

ネットフリックスの『全裸監督』を観て、村西とおる関連の本を読んでいる。上の本は、いわゆる自己啓発本の類だと思うが、自己啓発本にしては良かった。

自己啓発本はほぼ読まないし、たまに読んでも内容が何も頭に残っていない。いろいろと苦労してこういう努力をして成功したとか、地位や金を得るためにこういうことをせよみたいなのが書いてあるのが自己啓発本だと思うが、うーん内容が薄っぺらなせいか今までに読んだ何冊かの自己啓発本の内容をやっぱり思い出せない。

上の村西とおるの本も、読んでみたら自己啓発本だったわけだが、これはましな自己啓発本だと思った。というのも、タイトルにあるとおり、この本を読んでいると、こいつよりはマシだなと思えるからだ。

これってけっこう大事だと思うんだよな。自分は死にたくなったことはないが、今後苦しいことや辛いことがあって死にたくなったとき、村西とおるよりはマシだなと思って自殺を回避できるかもしれないからだ。こういうのもある種の自己啓発だと思うが、こういう類の自己啓発本は読んだことがない。なぜなら村西みたいなぶっ飛んだ人生を送っている人間はいないからだ。アメリカで空中ファックのAV撮って禁錮370年の刑を食らうというのは大変面白い。こいつのせいで人生を棒に振った人間もたくさんいるだろう。そんなクソみたい人間でも、生きているのだ。これが大事である。

どうやったらコスパよく成功できるかなんていうことをしょうもない人間が語っているから薄っぺらい。村西の本も大したことないが、村西自体がヤバいので言葉に力がある。

この豊かな国で、毎年何万人も自殺している人がいて、おそらくその何倍もの人間が今、自殺したいと思っているだろう。そうした人の相談を受ける態勢はあるけれども、それでも多くの人が自殺している。でも自殺してしまう人のはるか下には、村西がいて、生きているのだ。こいつよりはマシだなと思って生きられるのなら、村西の自己啓発は大きな意味がある。

こういう類の本は村西のような人間にしか書けないわけだから、なかなか貴重であるし、一読しておく価値はあると思う。