はぁ、田舎は怖いよ

サウナを作って販売しようと思い、お世話になってる人に頼んでサウナを作れる作業場を用意してもらった。

作業場は原っぱみたいな感じになってて小屋がある。その周りは田んぼや畑がひろがっていて、農業や家庭菜園をしている高齢者がいる。

今日、小屋の状態を見るために、お世話になっている地域の顔役みたいな人といっしょにその作業場に赴いた。

小屋を見て帰ろうかってなったとき、作業場横の敷地に軽トラが止まってじいさんがでてきた。顔役の人があいさつして、「今度隣で彼(筆者)がサウナ作ったりしますのでよろしくです」とじいさんに言った。

そしたらじいさんの顔が険しくなって「そういうことは許されんと思うで、ここらへんは田んぼがあるけ、そこにサウナで使った水が流れたらいけんけ、それはいけん」と言ってきた。

顔役の人が「いや、水は流さないですよ」と言ったが、じいさんは「この前テレビで見たけど、水流しとったがな」と怒り始めた。

そこで合点のいった顔役が「いや、あの小屋をサウナにしてお客を呼ぶってことじゃなくて、あそこでサウナを作ってそれを出荷するんですよ、だから水を流したりすることはないです」と説明すると、じいさんも理解して「言うたら桶を作るだけってことか」と納得してくれた。「農道を使うことになるんだけぇ、そこについては許可とらんといけんよ」と教えてくれ、我々はその場を後にした。

 

いやはや、いろいろと怖いんだが。

自分がサウナをつくる作業場が欲しいとお世話になってる顔役に話をして、そこからあまり時間がたってないのに、どこをどう話が巡ったのか分からないが、もう周りの人間が作業場で何が始まるのか知っている。

それはまだいいとして、なぜか小屋をサウナにして、客を呼んで商売して、そこで使った水を垂れ流すかもしれないみたいに勘違いされていた。今日たまたま顔役の人がじいさんに説明してくれて誤解がとけたからよかったものの、これが勘違いされたままだったら絶対トラブル起こってたやん。何も悪いことをしていないのに嫌われるところだった。怖すぎる。

 

で、後で思ったんだが、田舎はこういうこと起こりがちだよなーと思った。いつの間にか話が広まってるし、しかも往々にして事実が歪曲されている。そういえば、以前母親が「あんたの友達の〇〇くん、今うつ病になって引きこもっているから、電話してあげたら」と言ってきたので、その友達に電話したら、うつ病でもなければ引きこもってもいなかったということがあった。こういうのは伝言ゲームと同じで、人から人に伝わるうちに、事実がだんだん違ったかたちで伝わっていき、しまいにはまったく異なる話になっていくのだろう。本当に迷惑な話だが、もしかしたら自分も無意識にやっているかもしれない。

何も悪いことをしていないのに、なんか人から避けられるとか嫌われているというとき、おそらく自分についての情報が悪いほうに歪曲されて伝わっているのだろう。こういうのがおそらく田舎ではどこでも行われているのだ。

 

いやーもうほんとに怖いんだが。こういうの気にし始めたらきりがないが、自分でコントロールできることではないから本当に嫌だ。自分は運良く地域の顔役の人とつながっていて、その人のおかげでいろいろとうまい具合に物事が進められている。だけどそうじゃなかったら、多分未だに何も事が進んでいなかっただろうな。いやー本当に田舎は怖い。