宗教2世の問題

イスに座って空を眺めていたらカラスが飛んでいて屋根の上にとまった。捕まえた虫を屋根の上に置いてカラスも空を眺めていた。その様子を眺めていると、人間もカラスと変わらないのになぁと思った。人間も結局はカラスと同じで、やるべきことは飯食って、ウンコして、交尾することだけなのだ。すべての生物がやるべきことは同じなのだ。しかし人間だけが、それ以外のことに振り回されて自分で自分の首をしめている。原始人は金がなくても生きていたわけで、人間は本来金がなくても生きていける生き物だが、人間が自ら生み出した経済システムが人間を苦しめ、金がなければ生きていけなくなってしまった。経世済民どころか、経済のせいで多くの人間が苦しみ死んでいくのだ。

統一教会の宗教2世の問題がクローズアップされている。親のせいで子が苦しんでいる。子には選択の余地がない。これは本当に大問題だと思う。もっとも、宗教2世は統一教会だけではなく創価学会天理教などにもいるわけで、統一教会以外の宗教2世にも目を向けるべきだと思うが。創価学会なんて、2世は生まれたときから選択の余地なく学会員になっているわけで、信仰の自由が完全に犯されている。

しかし宗教は抜けることができる。問題は国家だ。国家を抜けることはできない。われわれは生まれた瞬間から日本人だ。日本という国家の信者である。そして、日本という国家に愛想がつきたからといってこの宗教を抜けることはできない。いや日本の国籍をはなれてアメリカとかフランスの国籍を取得することはできる。しかしこれはいってしまえば、統一教会から創価学会にうつるようなものだ。われわれは何も信仰しないという状態にいることはできない。地球のほとんどすべての土地がどこかの領土になっていて、無国籍の、まったく国家に属していない状態にはなれない。カラスやいもむしのように、ただ食って、ウンコして、交尾してという動物状態で一生を終えることはできないのだ。

べつに日本国民であることを放棄したいわけじゃない。ただ、宗教とか会社と同じように、国家でさえも抜けられる自由があればいいなとカラスを見てて思ったのだ。