ブログを始めて一か月、気づいたこと

 もう何年も前に世間ではブログブームが起こっていたというのに、その波には乗らず今さらブログを始めた。初めて一か月、僕は何を思ったか。

 僕は自分の考えたことを誰かに伝えたかった。ある程度まとまった文章ができたので、どこかの新人賞に応募した。で、一次選考にすら通らなかった。応募の規定を無視したからか、あまりに傲慢な文章だったからか、そもそも文章として成立していなかったからか。たぶんすべてだと思う。

 それでも自分の考えたことを伝えたいと思った。そういえばブログという手段があったなぁと思い、それで始めることにした。

 僕はこの一か月、書きたいことを書きたいように書いてきた。それでこの一か月のアクセス数は35。他と比べて多いのか少ないのかよく分からないが、自分の思っていたよりも少なくてショックを受けた。

 大学の卒業論文が教授陣にべた褒めされたこともあって、僕は調子に乗っていた。自分は他の誰にも見えていない世界が見えていて独創的な文章が書ける、そんなふうに思っていた。まったく、中二病である。あぁ恥ずかしい。

 新人賞に落ちたことやアクセス数が少なかったこともあって、やっと僕はまともな考えを取り戻し少し謙虚になった。

 で、僕は書きたいことを書いている合間に、他の人たちのブログを参考にし始めた。はてなブログをやっている人たちは基本的にアマチュアの書き手なんだろうけど、読まれているブログには、それぞれ味のある文体で文章がつづられていてとても面白い。

 そして、読者数の多いブログは、もちろん文章それ自体も面白いのだけど、その文章が読みやすいように見出しがつけられていたり、目次があったりとさまざまな工夫がほどこされていた。

 ブログを始める前には漫然と読んでいた文章も、ブログを始めてみるとみんないろいろと読みやすいように工夫しているんだなぁと感心してばかりである。そういったさまざまな工夫にブログを始めるまで気づかなかった。

 アマチュアでさえこうなのだから、マスメディアに属するプロの人たちはやっぱり読みやすいように相当の工夫をしているのだろう。主にネットで「マスゴミ」と揶揄されているけれども、揶揄する人たちはあまり文章を書かない人たちなのかもしれない。これくらい書けるわいと思っていても、いざ文章を書こうとすると意外と書けないものだから。

 一人暮らしをして初めて親のありがたみに気づく若者のように、僕はブログを始めて、初めて文章を書くことの「重み」に気づいたのだ。