師匠がアメリカから帰ってきた。
彼は先週から一週間の予定で、アメリカのサンフランシスコに行ってきた。
四十年来の親友がサンフランシスコに住んでいるのである。
その親友はイギリス人の僧侶と結婚し、アメリカに移住した。
その親友が住んでいる家に遊びに行っていたのである。
家は豪邸で、部屋が余っているから月500ドルで貸し出しているらしい。アメリカでも部屋をシェアすることが流行しているとのこと。
うちの師匠は芸術家で、類は友を呼ぶのか、向こうでも何人かの芸術家と知り合いになって帰ってきた。
作品の写真を見せてもらった。さすがアメリカというべきなのか、作品もスケールがでかい。
ブルース・ジョンソンという人の作品。
上のほうはよく分からないけど、下はバス停らしい。
でかすぎだろ!金沢駅の前にある門を思い出した。
ジャンク品を組み合わせて作品をつくる人もいたそう。
他には、木を彫って仏像をつくる日本人の彫刻家とも仲良くなったらしい。
その人は、若い時に平和運動でアメリカに渡りそのまま居ついてしまったそうだ。
サンフランシスコはヒッピー文化の発祥地だ。
そういうタイプの人間を許容する土地柄だからなのか、ただの知り合いを居候させてる人もふつうにいるらしい。
師匠はつねづね「私は日本ではなくてアメリカにいるべき人間だったんだ」と言っている。たしかに、僕みたいなニートを居候させているのだからアメリカ的な人なのかもしれない。
師匠は帰ってきて早々に、喫茶店で国際的に活躍するコンサルタントと仲良くなったと言っていた。
若いころは有名な映画監督とも仲良かったそうだし、多様な人付き合いをする人である。
僕は変なところにまぎれこんだみたいだ。