中途半端な仕事のマッチングサイトがあればいいな

自分は、会社員や公務員のように、朝から夜まで週5や週6で働くことは無理な人間で、とにかく自分のペースで、自分の都合で働きたい。バイトレベルの時給でいいから、自分本位で働きたい。自分本位というのは、働いている途中に、今日はもうめんどくさいから3時で切り上げて温泉入って帰ろうとか、今日は午前だけやろうかと思ったけどやる気がでてきたから午後もやろうみたいな、そういう働き方。

こんなの、雇う側からしたらたまったもんじゃねえなと自分でも思うわけだが、運良く自分はそういう働き方ができている。個人からもNPOからも頼まれる。仕事の量的にもちょうどよくて、今は理想的な働き方ができている。

最近では、NPOから床張りの仕事を頼まれた。この仕事は本来、工務店に頼む予定だったらしいのだが、途中で予算が足りるか怪しくなってきたらしく、床張りだけ自分に頼もうということになったという話だった。

自分は大工ではないが、趣味がDIYで床張りもやったことがある。いわゆる素人に毛が生えたレベル。NPOからみれば、自分はバイトレベルの時給で、大工ほどではないがそれなりのクオリティで仕上げてくれる人なのだ。

この仕事は業務委託で、マイペースに自分の都合でやってくれたらいいということだった。だから、お互いの条件がマッチしていて、自分は自分の都合でマイペースに仕事ができるし、NPOはそれなりのクオリティで予算を抑えて内装を仕上げられる。ウィンウィンなのだ。他の仕事もこんな感じで、こちらはマイペースに自分本位でやらせてくれるから助かるし、向こうも業務委託で必要なときだけ安く手を借りられるから助かっている。

知り合いが、古民家を買ってリノベーションして住めるようにした後に貸し出すという副業をやっていて、それの手伝いを自分がしている。知り合いは本業が不動産というのはあるが、すぐに入居者が決まっている。家のリノベーションは、大工ではなく、自分のような素人に毛が生えたレベルの人たちでやっているが、それでも入居者がすぐに決まるのだから、安いのであればそれなりのレベルでかまわないという入居者もけっこういるんじゃないかな。

結局なにが言いたいのかというと、すべてにおいて、それなりのレベル、中途半端な、中間地帯のものがもっとあっていいんじゃないかということだ。プロがやったら高くつくわけで、それならセミプロがもっといたっていいと思うのだ。

たぶん世の中には、自分のようにバイトレベルの時給でいいからもっと自分本位に、適当な働き方をしたいと思っている人は多いはずで、一方で仕事を頼む側も、プロだと高くつくからセミプロ、あるいはもう素人でもいいから安く済ませたいと思っている人も多いはずだ。それをうまくマッチングさせるシステムがあればいいなぁと思う。自分がアプリ開発とかそういうのできたらやるんだけどなぁ。どこかの水産工場が、自分の都合で働けるようになってて、応募者が多数いるとテレビでやっていたけど、そういう職場がもっとあればいいのにと思う。

問題は、どのくらいのレベルで仕事をやってくれるのかということで、自分に仕事を頼む人は、まぁこれくらいのレベルでちゃんとやってくれるだろうという信頼があるから頼めるわけだ。マッチングサイトだとそこら辺が分からないだろうから、そこは難しいかもしれない。素人とプロのあいだにセミプロがいるわけだが、そのセミプロのレベルはピンキリてグラデーションがあるわけだから、ある程度頼む側と頼まれる側がお互いに知っていないと頼む側も不安になる。メルカリとかヤフオクみたいに評価システムがあればいいのかもしれないけど。とはいえ、たとえば技術がそれほどいらない仕事に関しては、素人でもできるわけだから、水産工場のような自分本位で働ける環境は作りやすいはずだ。

バ畜という言葉があるように、バイトですら労働が激化していて、本当にふざけた社会になっている。働き方改革というのなら、働き方にもっとグラデーションをつけるべきで、自分本位に働かせてあげられるシステムのほうが労働生産性は確実に上がるのだ。日によって体調は違うし、やる気も違うし、今日はデートとか、ライブとか、いろんな事情がある。そうした個人の事情に合わせた働き方をさせてあげたほうが生産性は確実に上がる。

今はウーバーイーツとかタイミーとかジモティーとか、ギグワーク的な働き方ができるシステムがあるっちゃあるけど、これもシステムに自分が合わせなくちゃいけない。もっと自分本位に働ける、上にあげた水産工場みたいな、システムのほうが自分の都合に合わせてくれる職場なり仕事なりが増えたらいいなぁと思う。