自分はともすると、ぽけーっとしている。
べつにぽけーっとしたいわけではないがぽけーっとしている。
ぽけーっとしていると、脳みそが勝手に考え事を始める。
夢を見ている感覚に近い。「今日の晩御飯何食べよう」というような能動的な思考ではなくて、脳みそが勝手に描いている光景を自分は傍で見ているような、受動的な思考。ちょうど映画館でスクリ―ンを観ているような感じ。
「はっと我に返る」という言葉があるが、はっと我に返る前の状態。現実とは別の世界に言っているとでも表現したらいいのか。
すばらしい音楽や映画に浸っているときは誰しも夢中に、文字通り「夢の中に」いるわけだが、ぽけーっとしているときはそういう状態になる。
ぽけっーとしていて脳が勝手に考え事を始めているとき、自分は楽しいのかつまらないのか退屈しているのか分からないが、少なくとも不快な状況ではない。だからずっーとぽけーっとしていたってかまわない。
逆にぽけーっとできない状態、仕事をしているときとか人と会話していなきゃいけないときはぽけーっとできなくてしんどい。
自分にとってもっとも恐ろしい状況は、忙しい状況だ。
このような状況に巻き込まれないために自分は努力している。
友達や人脈はつくらないし、必要ない。
自分にはぽけーっとする時間が必要だから、「今日時間ある?」とか聞いてくる友達をつくらないようにしている。スマホを所有しないのはそのためだ。ラインは自分のような人間にとってもっとも嫌悪すべきシステムだ。既読無視とか既読スルーみたいなクソみたいな文化があるラインは絶対にしない。
かといって自分はまったく人付き合いをしない引きこもりではない。自分のことを面白がってくれる人が周りにいくらかいるから、その人たちを起点にして交友関係が勝手に拡がっていく。
自分は拡がっていくのが嫌だし、非常にめんどくさいなと思うのだが、一方で、人との出会いを無下にして自分にとって必要な人間とだけ付き合うというのは世界を縮めてしまうから、だるいなぁと思いつつ拒否しないようにしている。
今いっしょに仕事をしている人も、お金もうけを第一にしていない人なのでどうにかいっしょにやれている。世の中のほとんどすべての人は、こういうご時世も相まってお金をとにかく稼がなきゃと思っているから、金儲け主義じゃない人と出会えたというのは運が良かった。まぁ類は友を呼ぶんだろうな。
金を優先する人は、ぽけーっとできる時間よりもお金を選ぶから、こういう人たちと仕事はできん。
今後出会った人たちで、「いっしょに仕事やろうや」と提案してくる人はいるだろうが、お金第一かそうでないかということをちゃんと見極められるようになっとかないといけんなと思う。