遺跡発掘現場で死亡事故、他人事ではないから気をつけねば

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 今日、熊本の遺跡発掘現場で、崩れてきた土砂に巻き込まれ作業員が死亡する事故が起こった。大雨が原因で壁が崩れ、なだれこんできた土砂に生き埋めにされたようだ。僕も今、遺跡発掘調査で土を掘る仕事をしているので、他人事ではない。

 

 遺跡発掘の仕事で一番気をつけなければいけないことは熱中症だと思っていたが、これからは土砂崩れにも注意しないといけないな。

 

 遺跡発掘の調査はひたすら土を掘る仕事だ。掘った土はべつの場所に運んで盛っておくだけなので、今回の大雨みたいなことがあれば簡単に土砂崩れが起きるのだろう。

 

 ヤフコメを見ていると、仕事をさせたほうにも問題があるけど、作業員も自分のアタマで判断して断るべきだったという意見があった。

 熊本の現場がどういう感じなのかは分からないけれど、会社側も作業員も熱中症のことは頭に入れていても、土砂崩れのことは頭に入っていなかったんじゃないかなぁ。

 僕が入っている現場では、熱中症のことは口酸っぱく言っても、土砂崩れについては何も言わない。

 

 僕の現場では納期が迫っているので、現場リーダーは割と焦っている。

 雨の日は基本的に作業が中止になって仕事は休みになる。関西は今年梅雨入りがとても遅く、予報が外れて雨が降らないことも多いので作業が中止になる日はほとんどないのだが、それでも切羽詰まっている。

 もしかしたら、事故が起きた熊本でも納期が迫って切羽詰まっていたのかもしれない。大雨が降っている日はさすがに作業はなかっただろうけど、雨が降らない日はたぶん作業していたはずだ。今日の熊本はくもりで雨が降っていなかったはず。だから作業員は普通に仕事に出て、今回の事故が起こったのだと思う。

 

 発掘作業員の仕事はひたすら土を掘るというもので、この時期の作業は過酷を極める。作業中は汗がとまらず、僕は一日でポカリスエットを4リットル消費する。身体がクタクタになる。著しく疲れるので体力も注意力も落ちてくる。

 

 亡くなったのは60代の方でヤバいと感じても逃げられなかったのだろう。

 ご冥福をお祈りします。