考えに考えた言葉よりも、その場でパッと思いついた言葉のほうが相手の心に響く。
経験上そういうことが多いのだけど、あれは不思議だなぁ。
これは僕だけに当てはまることなのかと思っていると、東大教授の野矢茂樹さんもエッセイでそんなことを書いていた。
講演で、事前に何を話すか決めてそのとおりにしゃべるよりも、その場で思いついたことをしゃべっているときのほうがウケるという。
野矢さんは、その場で思いついたことをしゃべるというのは、考えながら話しているということであり、聴いている人は思考の生成の現場に立ち会っているのだから引き込まれる、つまり受けがいいのだということを述べていたと思う。うろ覚えだけど。
たしか、この本に書いてあったような気がする。興味があればどうぞ。
今までに相手を「おお!」と思わせることができたのは数えるほどしかないが、なかでも個人的に印象に残っている自分の言葉を書き残しておこうと思う。いずれもパッと思いついたもので、それだけに印象に残っている。
第三位
- 作者: チャールズダーウィン,Charles Darwin,渡辺弘之
- 出版社/メーカー: 平凡社
- 発売日: 1994/06/13
- メディア: 文庫
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大地讃頌、ミミズに合掌
大学図書館が本のキャッチコピーを募集していたので、上のやつで応募したら入選して図書券とかいろいろくれた。
『種の起源』で有名なダーウィンはミミズをつぶさに研究した人であり、土壌が豊かなのはミミズが開墾してくれるからだと言っている。ぼくたちはミミズを気持ち悪がるけれど、ミミズのおかげでおいしい米や野菜が食えるのだ。
大地はすばらしい、ミミズに感謝。
同じキャッチコピーコンテストで入選したのもついでに紹介しておく。
5分後には、ゾッとする
これいいよなぁ。星新一のショートショートはよく読んでいたから、このキャッチコピーはよく分かる。
第二位
中学生のときに友達と河川敷で遊んでいたら、友達が
「東の芝へ行こう、東の芝へ行こう」とさかんに言ってくるので、僕はパッとこう返した。
「へぇ、目のつけどころがシャープだな」
友達はどうやら「東芝」と言ってほしかったようだが、僕がナナメ上の切りかえしをしたので、彼はその後ウキウキしていた。
第一位
学生時代、東京の大学に行った友達がメールで、
草もちを
たらふく食べて
死にたいな
聖将 心の一句
というよく分からない川柳を送ってきたので、僕はすぐさまこう返してやった。
逝っちまえ
苦しみながら
亡くなれば?
ツンデレ 心の一句
!
数分後、「デレが見当たらない件について」と返してきたので、
逝っちまえ
クるしみながら
ナくなれば?
ッンデレ 心の一句
!
彼はようやく気づき「御見それしました」と送ってきた。
あれ以来、彼とは音信不通である。