今日は美術手帖1988年7月号です。
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特集はバックミンスター・フラー
バックミンスター・フラーを知っていますか?
僕は高校の授業で「宇宙船地球号」を習いました。
宇宙船地球号とは、地球は広大な宇宙のなかを航海する船なのだとする考え方のことです。船には積み込める資源の量が限られているのだから、乗組員である人類は協力して資源を守っていなかなければならない、とフラーは言います。
フラーは1895年生まれ1983年没。肩書きは思想家、デザイナー、構造家、建築家、発明家、詩人とさまざまです。
宇宙船地球号で有名なフラーですが、他に有名なのが「ジオデシックドーム」と呼ばれる建築物です。ジオデシックとは測地線の意味です。
1967年モントリオール万博アメリカ館の写真です。美しいですね!
フラーの建築物は、ジオデシックドームからも分かるように幾何学的です。これはフラーが宇宙のデザインに興味を持っていたからです。
環境とは私以外のすべての宇宙
宇宙とは私を含む私を超えるすべて。
物理学は何ものも発見しない。
宇宙に名詞は存在しないからだ。
ただ
動詞によってかかれていくできごとの
重さのない関係だけを
物理学は発見してきた。
宇宙は一つのシナリオ。
それは
私と私以外のすべてによってつくられている
永遠に再生的なできごとの関係だ。
“And it comes to pass - Not to sayより”
フラーと同じ時期に活躍していた人で、ハロルド・コクセターという数学者がいます。
彼は幾何学を追求した人で「現代のユークリッド」とも呼ばれたのですが、彼もまた宇宙に魅せられた一人でした。
フラーとコクセターは少しばかり交流もあったのですが、彼らの眼には空虚な宇宙に幾何学的なカタチが映っていたのかもしれませんね。
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