組織ってなんでそんなに大きくなりたがるんだろうな

うちは付き合いで聖教新聞をとっている。聖教新聞っていうのは創価学会が発行している広報機関紙。家族は誰も読んでいない。IHクッキングヒーターが油とかで汚れないように新聞をひいている。そうすると料理をするとき嫌でも目に入る。普段記事は読まないのだが、引いてあったいつの日かの新聞にマンガが載っていたので、料理がてら読んだのだが、気持ち悪い内容だった。主人公は40代のおっさんで、しょっぱな20年ぶりに大学の同級生を呼び出して学会に勧誘する。どういう神経してんだ?20年ぶりに呼び出しておいていきなり学会に入らないかとか、この主人公頭おかしいだろ。当然その同級生は「絶対入らないからな!!!」と怒る。でも、その同級生は主人公のおっさんに「でも久しぶりに会えてよかったよ。また今度飯食いにいこう!」と言う。この同級生、人が良すぎるよ。その後、主人公のおっさんは悩み始める。おれは真剣に友のために祈っていたのか?そして学会員どうしの集まりでこの悩みを吐露すると、励まされる。他の学会員も、今度年下の後輩を学会勧誘します!とか、自分は今度友達に自分が学会活動していることを打ち明けます!とか宣言していて、それをみんなで励ましあっている。まぁそんなくだらない内容だった。いろいろと気持ち悪いなと思った。まず、自分のために他宗教の人間が勝手に祈ってるていうのが気持ち悪い。学会員はそれが善いことだと思っているのだろうか、いや思ってるからそういうことをするんだろう。自分だったら余計なことするなと思うんだけど。仮に空飛ぶスパゲッティモンスター教徒がいきなり目の前に現れて「あなたが幸せになれるよう祈ってる」なんか言ってきたら、誰だって気持ち悪いと思うだろう。学会員だってそれくらいの想像はできるだろうに。あと、学会員って集まりでみんなこういうこと宣言しているのだろうか?なんでそんなに仲間を増やしたがるんだろう?そりゃ自分の周りの人を幸せにしたいという願いがあるからだろうけどあくまでそれは建前で、創価学会や他のさまざまなの宗教や組織を見ていてもそれを超えたものを感じる。なんていうのかな、権力を握る人間がより大きな権力を求めようとするあの感じ。権力を握ることが自己目的化した、そういった腐敗を感じる。仲間の幸せを願い仲間が組織に入る、そして組織が大きくなる。この場合、組織が大きくなることは結果にすぎないわけだが、マンガを読んでいると組織を大きくすることが目的になっているのではないかと感じた。だから主人公は悩むのだ。自分は本当に同級生の幸せを願っているのかと。このマンガ全体から感じたのは、なぜ仲間を勧誘するのか学会員自身がよく分かっていない状態で勧誘していることだ。組織を大きくすることが自己目的化していて、一体なんのために勧誘しているのか分からなくなっているように感じる。活動していくうえで仲間は多いほうがいい。これは分かる。でも強引に勧誘して組織に入れることが本当にその人のためになっているのか。創価学会は嫌われているから、学会員はこうしたことを自問自答していると思う。これはマンガの世界の話ではなくて、実際に学会員みんなが思っていることなんだろう。想像するに、末端の学会員はなぜこんなに苦労してまで、人に嫌われてまで仲間を増やさなきゃいけないのかと思ってる。そんななか上の学会員が「とにかく仲間を増やすことが大事です。勧誘しましょう」とそれこそ題目のように唱えている。仲間の幸せのことなんて考えていない、とにかく組織を大きくすることが大事なのだ。組織の上に行く人間ほどそういうことを考えている。たちが悪いのは、仲間を増やすことは自分の功徳につながっているという論理を使っていることだ。だから熱心な勧誘が行われ、強引な勧誘競争が起こる。こうして組織の腐敗が始まるのだ。組織の腐敗は、末端と中枢のすれ違いによって生じる。今のロシアだってそうだ。組織を大きくすることが自己目的化していてどうしようもなくなっている。ロシアも、結局割を食っているのは国民や戦場に送られている兵士でここでも組織の中枢と国民のすれ違いが起こっている。ロシアが戦争に勝ちウクライナを手中におさめたところで、ロシアはすでに組織が腐って内部崩壊しかけているから遅かれ速かれこの国家は崩壊するだろう。ロシアだけでなく日本もそうだ。日本も組織を維持するために必死に少子高齢化を改善しようとしているが、末端から腐り始めている。やけくそになって電車や病院で放火したりする人間があちこちで出始めている。子どもの出生数が84万人だったが、個人的にはこれが国家への静かな反逆だと思っている。かつて子どもは天からの贈り物だと考えられていたが、今では子づくりと表現するように、作られるものだと考えられている。子どもができるのは喜ばしいことだが、国家が子どもを作るのを推奨するのは、それが喜ばしいことだからというよりも単に国を維持する歯車が増えるからだ。国民の多くは国家のこうした思惑を無意識に感じ取っている。日本も少しずつ末端から腐っており、遅かれ速かれ内部崩壊するだろう。

組織は当然大きいほど力がありそれによってできることが増えていく。大きいほど技術が発展し国民の生活は豊かになり国外に対しても発言力を持つ。だがしかし、大きくなればなっていくほど、末端と中枢のすれ違いが起き内部崩壊が始まる。ちょうどいいバランスの規模で組織が維持できればいいのだろうが、難しいのは国家が置かれている状況が資本主義システムであることだ。資本主義は膨らみ続ける風船のようなもので、現状維持を許さない。破裂するまで膨らみ続ける。ロシアや中国は資本主義国家ではないが、これらの国もまた資本主義国家とやりとりしているわけで、関係ないわけでない。しかもロシアや中国は資本主義とはべつにさまざまな問題を抱えている。このように考えると結局、組織のありかたとして何が正解なのか分からなくなる。