今日は美術手帖1986年11月。
特集はポストモダンの建築について。
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モダン建築とは?
モダンとは「近代」のことです。
近代とはどのような時代だったのか。
近代では「進歩」とか「主体性」を重視しました。人間が世界の主人公で、理性によって進歩するのだという思考が特徴的。
建築の分野では、合理性や機能性が重視されました。
モダン建築は余計なものを排除したシンプルなものになっています。
モダン建築の代表的な建築家は、ル・コルビジェ、ミース・ファン・デル・ローエ、フランク・ロイド・ライドの三人。日本では丹下健三が代表。
上はル・コルビジェ、下は丹下健三によるもの。たしかに装飾の排除された無駄のない建築です。
ポストモダン建築とは?
ポストとは「後」を意味する接頭語です。
つまりポストモダンとは「近代以後」という意味になります。
ポストモダンについて最初に語ったのは、フランスの思想家ジャン・フランソワ・リオタールです。『ポストモダンの条件』という本で、大きな物語(みんなが共有できる思想や考えのこと)は終わったと述べました。近代ではみんなが一丸となって「成長」や「進歩」という大きな目標に突き進んできました。リオタールは「そういう時代は終わった」と宣言したのです。
ポストモダンの建築は「合理性」や「機能性」を特徴とするモダン建築を批判します。
上の写真にあるように、モダン建築はシンプルなつくりですが、ポストモダンの建築は一転して装飾性や過剰性を重視します。モダン建築の合理性は無機質で味気ない都市をつくってしまったという批判から装飾による華美な建築を目指しました。
上は菊竹清訓、下は隈研吾によるものです。
ポストモダン建築の代表的作家は、フィリップジョンソンや磯崎新、隈研吾がいます。