ふんどしについて

 僕がつけている下着はふんどしだ。ふんどしなんてものを身に着けている人は現代ではほとんどいないだろうけど、僕の知り合いでは何人かいる。数年前に、僕は知り合いに教えてもらって身につけはじめた。

  以前は、ボクサーパンツやトランクスもはいていたのだけど、今ではふんどしだけしか持っていない。少し前まではトランクスも持っていたけど、トランクスがびりびりになって捨ててしまい、ふんどしのみになった。

  ふんどしは、僕の支出を抑える生活に合っている。ふんどしなんてヒモのついた布でしかないのだ。だから簡単につくれるし補修もできる。僕が今使っているふんどしは自分でつくった。一枚たったの50円。百均で買ってきた布を半分に切って二枚つくった。作るといっても、切った布の上端にヒモを縫い付けただけだけど。あとは、安物の布で糸くずががたくさん出るので、布の左右を折り返して縫っただけ。一時間もあれば余裕でできる。

  ふんどしがいいのはすぐに乾くところ。布一枚なので、トランクスやボクサーパンツより早く乾く。他には、かさばらないところ。僕は、貧乏旅をよくしているので、すぐに乾いてなおかつかさばらないふんどしは非常に重宝する。

  ふんどしがながらく日本人の下着であったのは、日本が肚を重要視する文化だったからだと思う。というのも、ふんどしは臍下丹田というへその少し下でヒモをぐっと結ぶからだ。トランクスやボクサーパンツよりもふんどしのほうが肚がすわるような気がする。なんとなくだけど。

  東洋の思想や医学では、丹田は気が集中する場所でとても重要な箇所だから、丹田でぐっとヒモを縛るふんどしはとても理にかなった下着だと思うのだけど、どうして廃れていったのだろう?日本の西洋化と関係あるのだろうか?和式トイレは今ではあまり見かけなくなった。学校はトイレの洋式化が進んでいるらしい。しゃがむことができない子どもがいるというのが一つの要因らしいけど、しゃがめないってかなりやばい問題だと思う。

  ふんどしで困ることはほとんどない。僕は銭湯によく行くけど、僕がふんどしをはいていると他の客に注目される。それが少し恥ずかしいことくらい。他にはない。

  他の人にもふんどしをはいてほしいとは思わないけど、ふんどしはながらく日本人の下着だったのだし、やっぱりそれは日本人の身体に合ったものだったわけでふんどしはおすすめなのだ。また、ふんどしというものをとおして日本について考えてみるのはいいことだと思う。