今の感じは、日本で戦争がもしかしたら起きるかもしれないけど、そうは言っても戦争は起きないだろう的な雰囲気だと思う。10年前、いや5年前とかコロナ禍あたりでは、ここまでの雰囲気はなかったと思う。
何かが起こるときは段階を踏むもので、風が吹いたから桶屋がすぐに儲かるわけではない。風が吹いて塵がまって、盲目の人が増えて、それで盲目の人が使う三味線の皮の需要によって、猫が狩られネズミが増え桶屋が儲かるという段階を踏むことで、最初は考えていなかったことが起きてしまう。
ホストにハマって金銭感覚が狂っていく女性へのインタビューを読んでいると、登場するホス狂いたちは、最初からホストにハマっているわけではない。むしろ最初は、行ってはみたものの全然楽しくなかったとか、ネガティブな評価を与えている。しかし、後日改めて行くと、ホストの楽しさを知り、そこから沼にハマっていくようである。
こういうのって、個人にしろ組織にしろたくさんあると思う。最近自分は、眉毛の一部が薄いことに気づいた。いや前々から眉毛がおかしいなと気づいていたような気がするが放置していた。ある時鏡を見てみるとやっぱりおかしくて、少し離れて見てみると、一部がはげているように見えるため、眉毛がとても変な見た目になっていた。30年以上生きてきて、今さら眉毛のおかしさを認識し、こんな眉毛をさらしていたのかと初めて恥ずかしくなった。それで、アイブロウペンシルというのを購入し使ってみたわけだが、おかげでハゲがなくなってまともな見た目の眉毛になった。
今のところ、ここですんでいるわけだが、もしかしたら今後、たとえば眉毛だけじゃなくて、ヒゲ脱毛とかしていくかもしれない。そこまできたら、タガが外れて整形したり、化粧をする日常が待っているかもしれない。
少し前までは眉毛のおかしさについては薄々気づいている程度で、何もしていなかった。今も以前も、整形や化粧をしようと思ったことはない。だけど、ふと急に羞恥心を覚え、アイブロウペンシルで眉毛を描くことがきっかけとなって、化粧をし、整形をする可能性はある。
戦争も同じだと思うのだ。たぶん日本人の多くが今、とはいえ日本人が戦争に巻き込まれることはないだろう、という感覚だと思う。自分もそういう感じである。
でもこれが、防衛費を増やし、憲法を改正し自衛隊の定義がハッキリし、トランプの要請に従ってイランを攻撃できるようにし、あるいは、中国との関係がもっと悪化し、あるいは参政党がもっと勢力を伸ばし、といったような、要素要素が絡み合って、段階が踏まれていけば、日本が戦争に参入する可能性は充分にある。
難しいのは、段階を踏んでいる途中では、一つ一つの段階は小さいがために、事が起こるリスクを過小評価してしまうことだ。アメリカがイランを攻撃した、中国との関係が悪化した、とはいえ日本人は多くがまだ戦争に日本が巻き込まれることはないだろうと思っている。仮に何年か後、戦争に日本が巻き込まれて、そこから振り返ってみれば、アメリカの攻撃や中国との関係は大きな要素である。でも今の時点では、戦争は起きていないのだから、そこまで大きな要素だと思われていない。
最近、「ママが戦争を止める」みたいな呟きかなんかをSNSでした人がいて、それが炎上していた。
「#ママ戦争止めてくるわ」に浴びせられた冷笑的な批判の正体とは…瀧波ユカリ氏が一刀両断「女性やマイノリティが連帯して言葉を発する意味がわかっていない」(ABEMA TIMES) - Yahoo!ニュース https://share.google/3KnmHWpi9JWn9syVk
ヤフコメはこの投稿への批判が共感されていた。
これは、たぶん段階に対する捉え方の問題だと思うんだよな。
ママ側の視点からは、戦争が始まる段階を進めているように見えるから「戦争を止める」と言った。批判する側からは、この段階では戦争が始まるわけではないと判断したから批判した。どちらが正しいかは、現時点では分からない。もしかしたらこれが戦争が始まるまでの段階の一つかもしれないし、あるいはそうではないかもしれない。
世界にはさまざまな要素があって、それらが絡み合って、組織にしろ個人にしろ、段階を踏んでいって、最初の時点では想像もしなかった出来事が起こったり、巻き込まれたりする。もちろん、途中で段階を踏むのが終わって何も問題は起こらないということもたくさんあるだろう。戦争に関してはそうであってほしいと願う。
