兵庫県知事選の結果が衝撃で、選挙後になんで斎藤さんが再選したのだろうと気になって、いろいろ調べてみたら、なるほどこういう裏があったのかと納得した。
今回の一連の問題の発端となった、西播磨県民局長の自殺。その局長が仕事中に同僚と不倫し、しかも公務で使うパソコンに不倫日記を残していたという、極めてまぬけなことをしていたことについて、なぜかマスメディアは一切報じない。そして、斎藤知事へのクーデターを起こすのが目的ということもパソコンに残されていたらしい。
NHKをぶっ壊そうとしている立花さんが兵庫県知事選に出馬したのは、マスメディアが報道しないこの真実を明らかにし、何も悪くない斎藤さんを擁護するためだったという。知事になるために立候補したのではなく、斎藤さんを知事にするためという目的の前代未聞の立候補。そして結果的に、彼の応援がなければ斎藤さんは再選していなかったかもしれない。彼がいうには、県民局長が自殺したのは、自身の不倫が明らかになることが恥ずかしかったからで、怪文書を書いたのも責任を全部嫌いな斎藤さんになすりつけるためだったらしい。
何が事実でそうでないのか分からないが、とりあえず事実なのは、局長か不倫してその模様を公務で使うパソコンに日記として残していたこと。選挙期間中の非公開の百条委員会の音声データがユーチューブにアップされている。そこでは、片山元副知事がこのことについて話そうとすると、新聞記者が脅すようにして口止めさせようとしている。
この一連の流れをネットで知った有権者、特に若い世代が投票に行き、斎藤さんに投票し再選した。そして、マスメディアは信用されていないという事実も明らかになった。
今回の兵庫県知事選は、日本の民主主義を大きく変える出来事だった。ネットがマスメディアよりも力を持ったという点、多くの若者が投票に行きそして投票した人物が当選したという点において。
そして、こういうことになったきっかけが、県民局長のまぬけな不倫である。結果的に、不倫が日本の民主主義を変えたのである。何といえばいいのか、実に滑稽である。
風が吹けば桶屋が儲かるということわざがあるが、事実はことわざよりもはるかにスケールが大きい。不倫が民主主義を変え、マスメディアを殺そうとしているのだから。風が吹いたという事実と桶屋が儲かったという事実のあいだにはいろんな要素があって、それが連なっていって最後桶屋が儲かるにつながる。今回の知事選も、いろんな要素が絡まっている。
そもそも、局長が不倫をせず、公務用パソコンに不倫日記を残さなければ、こんなことにはなっていなかった。立花さんが斎藤さんのために立候補することもなかったし、マスメディアの隠蔽もなかった。同時期に、国民民主党の玉木代表の不倫が明らかになったことも影響しているだろう。なぜ、玉木代表の不倫は大々的に報じるのに、県民局長の不倫については一切報じないのか?プライベートなことだからという言い分は通じないだろう。こういうことも、テレビ不信につながっている。その他、自殺した局長の妹が朝日新聞の子会社役員であることがマスメディアの隠蔽と関連しているのではないかとか、真偽不明確な諸々の要素が積み重なった結果が斎藤知事の当選である。
局長の不倫がすべての発端で、それが結果的に日本の民主主義を変え、マスメディアを殺そうとしている。今後有権者は、テレビや新聞の情報を鵜呑みにすることはないし、ネットとの情報を比較し、自分で判断し、投票することになる。今回、若者の投票が選挙に大きく影響したおそらく初めての選挙であり、この成功体験は今後、多くの若者に選挙に足を運ばせるきっかけとなるだろう。新聞は購読者数が減り続けているが、今回の件でその減少スピードは加速し、新聞社の倒産はより速まった。テレビにも同様の未来が待ち受けている。
繰り返すが、これだけのことをたった一人の人間の不倫がきっかけとなって達成してしまったのである。党内野党だった石破さんでさえ、首相というもっとも権力のある地位についても、何らかの力に屈し結局何もできていない。なのに、たった一人の不倫が誰にもぶち壊せなかった既得権益を破壊し社会を激変させようとしているのである。それも、不倫日記を公務用パソコンに残すというまぬけな行為によって!
歴史というのは案外、こうしたまぬけなことが発端となって、変わってきたのかもしれない。不倫をすればマスメディアが死ぬというようなバタフライエフェクトによって、社会は変わり歴史が紡がれてきたのかもしれない。マックスウェーバーの、利子を否定したプロテスタントの倫理が、結果的に利子の自己増殖運動である資本主義の精神を社会に根付かせたという主張も同じ類の話だ。自殺した県民局長も、自分の不倫が社会を変えてしまうことなんて考えもしなかっただろう。
だから今生きているわれわれは本当に、とんでもなく面白くて歴史的な瞬間に立ち会っているのである。自分は今、無性にワクワクしている。社会が大きく、しかもおそらく良い方向へと向いつつあるのだから。まぬけな一人の不倫が社会を変えてしまうことを知ったわれわれならば、自分の人生が無意味でつまらないと思わないだろう。自分の小さな行動が、社会を大きく変えるきっかけになっているかもしれないのだから。