やっぱり傑作だよなぁ。
2を観る前に1も観たけど、やっぱり2だよなぁ。
2は駄作という映画が圧倒的に多いなかで、2のほうがいいというのは珍しいことではないか。
子どものころにも観たが、そのときは「液体金属つえー」とか「シュワちゃんかっけー」みたいな、アクションシーンにしか目がいかなかった。
だけど大人になって再び観返すと、殺人兵器であるターミネーターが人間とのやりとりのなかで、少しずつ人間らしさを身に着けていく過程が胸を打った。
傑作が何度も観返す価値を持っているのは、観るたびに違った表情を見せてくれるからだろう。
人と機械の違いで一番大きいのは、心があるかないかだ。
シュワちゃん演じるターミネーターには当然心がないから、人間が涙する意味が分からない。だからジョンに、「痛いから泣くのか?」と尋ねたりする。
液体金属を倒したあと「ここにも破壊すべきチップがある」と言って、自らも溶鉱炉に落ちようとする。そのときジョンが涙しハグした際に「自分は泣くことはできないが、今人間が涙する意味が分かった」と言うシーンには、こみ上げるものがあった。
ターミネーターが単に機械どうしが闘う映画になっていたなら、ありふれたものになっていただろうけど、2では人間と機械の絆も描かれていたのでこれだけの名作になったのかもしれないな。
ところでアメリカやロシアが今まさに殺人兵器を開発しているけど、ターミネーターのようにAIの組みこまれた殺人兵器をつくっているのだろうか。
そうだとしたら、1のシュワちゃんのような、目的を遂行するためなら見境なく人を殺していくターミネーターを開発しているのだろうか。それとも、2のシュワちゃんのような、生命の価値が分かるターミネーターなのだろうか。
サラがキャンプで「NO FATE(運命ではない)」と机に刻むシーンがあるが、人類の未来はやはり人類の手に委ねられているのである。