星稜vs智辯和歌山 甲子園で見てきた

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 今日は甲子園に行ってきた。

 始発で行ったのに、甲子園に着いたらすでにすさまじい行列ができていた。

 僕は2003年のダルビッシュ率いる東北高校が準優勝した時からずっと見ているのだが、当時に比べて今の高校野球人気はすさまじい。

 甲子園で一番人気があるのは準々決勝なのだが、数年前ならほとんど並ばずチケットが買えたのに、去年は朝の5時半の時点で満員御礼でチケットが買えなかった。今年は明日が準々決勝だが、去年同様始発で行ってもチケットを買えなさそう。

 

 今日は3回戦で、二試合目に優勝候補どうしの対決があった。

 石川代表の星稜と、和歌山代表の智辯和歌山の対決。

 僕は近畿勢を応援しているので、智辯のほうを応援していた。下馬評では、智辯のほうが優位だった。

 星稜には奥川くんというプロでもすぐに活躍できる投手がいるのだが、打撃があまりよくない。

 一方、智辯には150㌔近いボールを投げるピッチャーが複数いて、打撃も全国でトップを争うレベル。総合的には智辯のほうが有利とみられていた。

 

 試合は予想どおり、いや予想以上に白熱した。

 今の高校野球はどのチームにも140㌔のボールを投げるピッチャーがいるが、150㌔はまだまだ少ない。150㌔投げられるピッチャーでも、1試合に一回か二回くらいしか出ない。

 しかし奥川くんはとんでもないピッチャーなので初回から150㌔を連発。相手は強打の智辯なので最初から全力でいっているのだと思った。こりゃ終盤でつかまるなぁと思いながら。

 

 試合は1ー1の膠着状態のまま終盤へ。

 奥川くんは終盤になってもまったく球威が衰えなかった。なんだこのピッチャーは!?毎イニング150㌔以上のボールを投げて三振を奪いまくる。

 智辯のピッチャーもいいので、結局同点のまま延長に入った。

 

 12回が終わっても決着がつかないので、タイブレークというルールにより無死1・2塁の状態から攻撃が始まった。

 智辯は魔曲「ジョックロック」を流すも点が入らず。

 奥川くんは足をつりながらも150㌔の球を投げていた。本当にとんでもないピッチャーである。

 正直もう奥川くんは変えたほうがいい。大船渡の佐々木くんと同じように守られるべきなのだ。そう思いながら見ていた。しかし奥川くんは投げ続ける。

 

 奥川くんは結局最後まで投げ続け、タイブレークなのに1点も許さず仲間の反撃を待った。そしてついに14回の裏、星稜にサヨナラ3ランが出て、劇的に試合が終了したのだった。

 

 去年も星稜はタイブレークを経験していて、奥川くんは先発しながらも途中足をつって降板している。星稜は大量得点によってリードしていたものの、奥川くんの降板以降相手に追いつめられ、結局タイブレークに持ちこまれている。そして、逆転サヨナラ満塁ホームランをくらい、球史に残る負けを経験した。

 

 奥川くんの今日の投球は執念だったと思う。

 去年のようにはならないという強い気持ちがあのような投球につながったのだ。

 

 本当にいいものを見せてもらった。