『マイノリティ・リポート』と顔認証システム

 

 

 

トム・クルーズ主演の映画『マイノリティ・リポート』を観る。

 

【あらすじ】

舞台は今から30年くらい先の近未来。

「プリコグ」という犯罪を予見できる人間を使って、犯罪防止を行う犯罪予防局。

そこに勤めるトム・クルーズ演じるジョンは、自らが殺人を起こす姿を予見される。

見ず知らずの人間を殺す近未来の自分をみたジョンは、その未来を変えようと奮闘するうちに、犯罪予防局に潜む重大な秘密に迫っていくのだが・・・。

 

 

この映画を知ったのは、『バイオハッキング』という本でだった。

 

バイオハッキング―テクノロジーで知覚を拡張する

バイオハッキング―テクノロジーで知覚を拡張する

 

 

 この本では、目の見えない人が「バイオハック」によって視力を取り戻す姿が描かれている。

 バイオハックというのは、身体をハッキングする技術によって、知覚を拡張すること。

 

 ぼくたちは、五感によって物事を知覚するわけだけど、その知覚は電気信号に置き換えられ脳で認識する。

 だから、仮に知覚する箇所が損傷していたとしても、電気信号さえ脳に送ってやれば物事を認識できる。

 つまり目の見えない人であっても、その人に視覚と同等の電気信号を送ってやれば、目が見えなくても見ることができる

 

 こういうことが『バイオハッキング』で書かれていて、そこに『マイノリティ・リポート』のことも書いてあったのでこの映画を観てみようと思った。

 

マイノリティ・リポート』では、カギの解除でも、電車の改札でも、そこに備え付けられている機械が、指紋認証するみたいに目を読み取って認証する。

 

 この映画は、先にも書いたように30年くらい先の未来を描いている。

 でももしかしたら『マイノリティ・リポート』が描く世界はもっと早く訪れるかもしれない。

 というのも、先日の新聞に、将来的に大阪市営地下鉄が顔認証システムによってゲートレス化されるという記事が出ていたからだ。

 

 映画のなかで、ジョンは犯罪予防局から逃亡するのだが、監視カメラのごとく目を認証する機械がそこらじゅうにあるので、すぐに居所を捕まえられてしまう。

 

 こういうシステムは便利なことばかりのように思えるけど、同時に監視社会がより一層強まっていくのだろうなぁ。しかも生身の人間が監視しているわけではないから、監視されているという意識も希薄になる。

 大阪市営地下鉄の件でも分かるように、それがもう現実になりつつあるのだ。

 

 

 ところで『マイノリティ・リポート』は、主演がトム・クルーズで、監督がスティーブン・スピルバーグという豪華タッグ。

 原作はSF小説家で有名なフィリップ・k・ディック

 

 GWに観る映画としておススメです!!!