なんとなくエイリアン観たくなって4まで一気に観た。
いやはやどのシリーズも面白かった。
それもそのはずで、担当した監督がリドリースコット、ジェームズ・キャメロン、デイビッド・フィンチャー、ジャン・ピエール・ジュネと錚々たるメンツだもんなぁ。
このシリーズ、それぞれ監督は違うんだが、ストーリーの構造がよく似てて興味深かった。特に2~4は同じなんじゃないかと思うほど似てて、抱いた感想も同じだった。
エイリアンってまぁフォルムが気持ち悪くて鳥肌が立つし醜い生き物だなと思ったわけだけど、それ以上に醜いなと思ったのは人間の欲望だよね。
2~4の作品ではいずれも人間の欲望が醜く描かれているんだよね。
たくさんの人間がエイリアンに殺されて、エイリアンってのはとんでもない化け物だって分かっているにもかかわらず、企業や政府の人間はなんととしてでもエイリアンを地球に持ってかえって、儲けようとしたり生物兵器として使おうと考えてるわけ。
1~4までの主人公であるリプリーは、そんなことはさせまいとして必死に食い止めようとするが、2でエイリアンに寄生されてしまう。その寄生の原因も、エイリアンを持ち帰って儲けようとしている企業の人間が、検閲を逃れるためにリプリーの体内にエイリアンを寄生させたのだ。人間の欲望ってのは本当に恐ろしい。
3では、リプリーたちを載せた宇宙船が不具合を起こして別の惑星に不時着するのだが、地球からやってきた研究者たちも、実は助けにきたんじゃなくて、リプリーに宿ったエイリアンを持ち帰るためにやってきたのだった。それを阻止するために、リプリーは自らの腹から出てきたエイリアンの幼虫とともに、溶鉱炉に落ちて自殺したのだった。
4では恐ろしいことに、死んだリプリーの肉体からDNAを採取して、クローンを作った。エイリアンのDNAが組み込まれたリプリーは超人的な肉体を持っていた。さらに、政府はそこからエイリアンを作りだし、研究機関にてエイリアンを飼育していたのだった。
とまぁ、エイリアン以上に人間の欲望のほうが醜いわけだが、これって結局昨今のコロナ禍と同じなんだよなと思った次第。
エイリアンが危険だと分かっていても、それを使って金儲けしようとしたり、飼いならして生物兵器にしようと企業や政府は考える。結局企業や政府の人間はすべてエイリアンに殺されて頓挫するのだが。
同じことがわれわれの世界でも起きている。
コロナが危険だと分かっているのにもかかわらず、利権のためにオリンピックを開催するという愚かな政府とIOC。エイリアン以上に醜い存在である。映画でも現実でも、人間はエイリアンやコロナはまったくコントロールできないことが分かっていても、政府は金のためにおさえこもうとする。で、結局食い殺されるのだ。
人間の欲望ってのは本当に愚かで醜いよ。