どんぐりさんの人生訓

 『カメラを止めるな』にちょっとだけ出演してた俳優。

 出演シーンは少しだったけど、個性がすごかったので印象に残っている。

 その人がヤフーニュースで紹介されていて、「あぁこの人の生き方や考え方すてきやなー」と思ったので、備忘録がわりに引用しておく。

 

news.yahoo.co.jp

 

 

 肩書きが通用するのは社内だけです。一歩外に出れば、私はただの「人」。それより、自分に合う仕事は何か探したかった。40歳で裁判所に準職員として採用されるまで、派遣先の会社では事務、受付、販売促進……、いろいろな職種を経験することができました。

一方で、ちょっと響くものがあったら、すぐに「習う」と勢い込んでもいました。その道の講師になりたいと思ったんです。感覚的に「いいな、やってみたいな」と思うものがあれば、向き不向きも考えず習いに行きました。

 

  この姿勢がすばらしいよね。

  「あ、これやろう」と思うことはあっても、すぐに行動に移せるかっていったらそうじゃない。まぁいつかやろうと思って結局やらない。

 どんぐりさんはすぐに習いにいくからすごい。見習いたい。

 

そうこうしていたら……、私、50歳になっていたんです。以前、大河ドラマで渡哲也さんが演じた織田信長が、「人間五十年……」と歌いながら死んでいくシーンが甦りました。その時、すっと自然に、これからは自分のやりたいことをやろう、と思えたんです。
好きな仕事や習い事をして、周囲からは自由に生きているように見えたかもしれないけど、もう50歳だし、人生後悔したくない。真っ先に思いついたのは、よしもとのNSC吉本総合芸能学院)に入所することでした。 

 

 

 50歳でよしもとに入ろうと思えること、それで実際に入所するところ、すごいわぁ。

 だってまわりは若い人ばかりでしょ、いくら人生後悔したくないと思っても、なかなかできることではないよね。

 

ずっと、生きづらかったですよ。背が低くて、目が小さくて、声はこんなんやし。自分の声を初めてテープで聞いた時は愕然として、受け入れられなかったです。「ブス」と言われたこともあります。

自分では何の不満もないのに、周りが「この先、どうするんや」とプレッシャーをかけてくる。私の親の世代は、いわゆる世間体を「常識」として生きてきているから、結婚することや子どもを持つことが幸せ、と本心で思っていて責めることもできない。かといって、誰も私の人生に責任なんかとってくれないんです。ほんまに生きづらかった。

 

 自分は自分だと思っても、まわりが「それじゃダメだ」と言ってプレッシャーをかけてくる。だからといって、まわりが責任をとってくれるかといったらそんなわけはない。自分の人生に責任を持てるのは、自分しかいないのだから。

 

20代でNSCに入っていればよかった、とも思いません。その時選ばなかったんだから、思ってもしょうがない。それこそ周りに若くてきれいな人がいっぱいいただろうし(笑)。いろんな仕事をしてきた今の私だから、経歴も面白がってもらって、こうしてお仕事をいただけてるような気もしています。 

 

 この考え方ってすごく大事だと思う。

 あの時ああしていれば、と思うことは多々あるけど、後悔しても仕方がない。無駄なことをしたり、回り道をしたりしても、そういうこと全部ひっくるめて今の自分があるわけで。

 

去年はマッターホルンを見たくて、言葉もわからないのに、はじめてスイスに一人旅をしました。いつものように「何とかなるやろ」と思って(笑)。 

 人生、何がどうなるかわかりません。私はただ、自分の直感のままに生きていたら、「これだ!」と思える道筋がやっと見つかった感じです。

 

 50歳すぎてよしもとに入って、そこから役者になって57歳で『カメラを止めるな』に出て大ヒット。今やっと、「これだ!」と思える道が見つかる。

 ほんとに人生分からんな(笑)。57歳で天職が見つかるわけだから。

 

 

 こういう人の話を知ると、若くして人生に絶望して自殺するというのはすごくもったいないことのように思える。どうせ死ぬんだから、自分の思う通りに生きて死にたいものですね。