84歳のAV女優の記事を読んで生きるのがラクになった

 昨日週刊朝日を読んでいたら、なんと84歳のAV女優の記事が掲載されていた。

 

週刊朝日 2020年 1/17 号【表紙:木村拓哉】 [雑誌]

週刊朝日 2020年 1/17 号【表紙:木村拓哉】 [雑誌]

  • 作者: 
  • 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
  • 発売日: 2020/01/04
  • メディア: 雑誌
 

 

 いやはや、すごいよねぇ・・・。

 84歳でヤッてるってのもすごいし、AVに出ているのはもっとすごい。

 デビューも81歳とあって大器(!)晩成型の女優である。

  「逝く~逝く~」って言いながら、本当に逝っちゃたらどうするのかね。

 

 もちろん需要があるから出演できるのであって、彼女、けっこう人気女優らしい。

 今の若いAV女優ってものすごくかわいいし身体もすごいんだけど、数回観たら飽きてしまうんだよな。だからほとんどがすぐに業界から消えていく。

 一方、84歳のAV女優ってそれだけでもう希少価値があるから市場を独占できるよね。経済原理にかなっているわけです。高齢者のセックスを観たい方も一定数いるわけで、そうすれば84歳のAV女優も爆誕するわけですね。

 

 この類のAVって、もちろんオナニー用でもあるんだろうけど、たぶんそれ以外の存在理由も大きいと思う。

 たとえばマラソン川内優輝選手は市民ランナーの星として、元中日の山本昌投手なんかはおじさんの星として希望を与えている。われわれは、彼らを見て「あぁ自分も頑張ろう」と思える。この84歳のAV女優も同じで、世の中のおじいちゃんやおばあちゃんも「わしも現役に復帰するぞい!」と意欲を取り戻すのだ。このように希望を与える84歳は、高齢社会である日本国にとって非常に重要な存在である。

 

 希望をもらうのはおじいちゃんやおばあちゃんだけではない。

 僕はこの記事を読んで生きるのがラクになった。

 今でこそいろいろな価値観が認められるようになってきたけど、ひと昔前はこり固まった価値観のなかでみんな生きていた。今でも、お年が上の人ほど、昔の価値観をひきずっている。パワハラやセクハラをするのはほとんど年寄りだし。

 記事によれば、84歳も、親が連れてきた男と結婚し、結婚して初めて男を知り、59歳で夫が逝くまでは夫以外の男を知らなかった。そういう昔ながらの価値観を生きてきた人である。そういう人が、81歳にしてAVに初出演し、現在も現役であるというのはとんでもなくすごいことだと思う。この人はわれわれの常識を思いっきりぶち壊してくれているのだ。

 だって数年前まで、AVに出ていることを周りに知られたら一巻の終わりみたいな風潮があったのに、このおばあちゃん、週刊誌で堂々と言っている。

 

 このおばあちゃんのおかげで、僕は自分の有する世界を少しだけ広げられた。その分生きるのがラクになった。こんな生き方をしている人もいるんだと分かれば、多少羽目を外したって、レールからずれたって問題なくない?『死ぬこと以外かすり傷』っていうタイトルの本があるけど、本当にそのとおりなのだ。