美術手帖 1972年2月号

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 今日は美術手帖1972年2月号です。

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 安保闘争があったこともあって、美術手帖でも“反権力”が扱われています。

 足立正生さんという方が「表現」について次のように述べています。

ひとつの表現―それが作品なら作品であってもいいのだがーは、その時代状況の「価値」を否定し去るための営為である。「価値」とは、その表現が正統化された秩序を成立させたときに成り立つものであって、「表現」と「価値」は本来背反するものである。         

                           (P108より)

 

 うちの師匠もよく「アートは常に新しい概念を生まなければいけない」と言っています。アートは常に、既成の価値のアンチテーゼでなければならないのです。必然的にアーティストは少数派、時には誰にも理解されない孤独者でなければならないのです。

 アーティストは権力や権威に迎合しない反権力の表現者です。

 この意味でいけば、1970年前後はアーティストが多い時代だったといえるかもしれません。

 

思い出はいつもキレイだけど・・・

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京大バリケード内における万博粉砕デモ

 先日2025年大阪万博が決定しましたが、上の写真は1970年大阪万博に対するデモの写真です。

 僕はてっきり、1970年の大阪万博は大成功でみんな幸せってな感じだと思ってましたが、こんなデモが行われていたんですねぇ。知らなかった。

 

 

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東京アース・デー「人間と大地のまつり」の街頭デモンストレーション

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京都円山公園のフローティング・イン

う~ん、異様な雰囲気ですね。
この人たちはヒッピーでしょうか。

 

 ぼくたちはこういう人たちを奇異な目で見てしまいますが、彼らのような表現者を受容できない社会は多様性の失われた息苦しい社会になってしまうと思います。

 まぁこういう人たちとは友達になりたくないですが(笑)

 

 昔の雑誌はその時代の雰囲気が感じられて面白いですね。以上です。