うつ病は病気ではなく身体の正常な反応だ!

 昨日一年三か月ぶりに風邪をひいた。熱がでて頭が痛い。

 風邪をひくとしんどいし何もしたくなくなる。風邪は万病のもとと言われるようにやっかいなものだ。

 

 風邪をひくとくしゃみや鼻水がでたり、熱がでたり、頭や関節が痛くなる。これが風邪の一般的な症状。どうしてこういう症状が現れるかというと、体内に侵入したウイルスをくしゃみや鼻水によって外へ出そうとしたり、体温を上げることによって死滅させようとしているわけだ。

 

 つまり、風邪は身体の正常な反応である。これは野口体操で知られる野口春哉さんが言っていたことで僕もなるほど納得だった。詳しくは以下の本を読んでください。

風邪の効用 (ちくま文庫)

 考えてみれば当たり前のことだけど、ウイルスが体内に侵入してきても何の症状も出ないのであれば、そちらのほうがよっぽど問題なのだ。ウイルスがいつまでも身体に残って好き勝手にさせるわけだから。

 

 僕たちは、風邪をひくと薬を飲む。薬を飲むことによって鼻水やくしゃみ、頭痛などの症状をおさえるわけだけど、薬を飲むという行為は身体の正常な反応を抑えてしまうことになる。つまり、薬とはすなわち毒なのだ。*1

 

 うつ病心の風邪だと言われる。風邪が上に書いたように、身体の正常な反応であれば、うつ病も病気ではなく身体の正常な反応なのだ。

 

 会社での長時間労働が毎日続いてだんだん身体の調子がおかしくなる。身体がだるかったり、食欲がでなかったり、頭やおなかが痛い。それでも毎日会社に行き続けていると、ある日の朝布団からでられなくなった。それで病院へ行くと、うつ病だと診断された。こういうケースをよく耳にする。

 

 うつ病は、身体が送るメッセージなのだ。「このまま会社に行き続けると死んでしまう」、こういうメッセージを送ってきているのだ。最初はだるいとか頭やおなかの痛みというメッセージ(少し休まないとまずい)を送っていたのだけど、本人はきかずに会社へ行くもんだから強制的に動かなくしたのだ。このままいくと死んでしまうのだからうつ病という正常な反応を起こしたのであって、これは病気でもなんでもない。

 

 ならばなぜ、風邪やうつ病が病気だとみなされるのか?それは風邪をひいたりうつ病になると働けなくなるからだ。病気の定義はいろいろあるのだろうけど、おそらく社会における病気の定義は、働けない状態のことをいうはずだ。風邪やうつ病になると会社へ行けなかったり、生産性が落ちる。社会システムはそういう状態を病気だとみなすだろう。

 

 これは実におそろしいことだ。身体の正常な反応を病気だとみなすのだから。うつ病と同じく不登校もある種の病気だと思われている。これについてはまた改めて書こう。

 

 

 

 

*1:ジャック・デリダという哲学者がプラトンの文章を用いて薬=毒だと暴いてみせたが、プラトンを用いるまでもなく薬=毒だということは明らかなのだ