0円で生きる 小さくても豊かな経済の作り方

 

0円で生きる: 小さくても豊かな経済の作り方

0円で生きる: 小さくても豊かな経済の作り方

 

 

 メルカリで売られている本書を見て、興味がわき読んでみた。

 

 ここ数年にわたって、モノを所有する文化から、共有する文化へと舵が切られている。

 車もそうだし、家もそう。ウーバーやAirbnbなどをはじめとするサービスを使えば、手軽に車や家を安い値段で共有できる。

 

 本書は、お金への依存度を下げるために、0円で利用できるさまざまなサービスが紹介されている。

 

 0円でモノをあげたりもらったりすることができるサイトで有名なのは「ジモティー」だ。ジモティーはモノだけでなく、サービスのやりとりもできる。

 

 本のなかで不要品見本市の情報も載っていた。路上で数人の人がシートの上に不要品を並べて、欲しい人はそれらをタダで持っていっていい。面白いのは、この空間が一つのコミュニティとして機能していることだと筆者は言う。

 東京にある「くるくるひろば」という店は興味深いなぁと思った。ここにはいろいろな人の不要品が置かれていて、いらないものを持ってくるのも、あるいは持ち帰っても自由だ。店番は20人くらいのボランティアがて交代制で務めているという。

 

 あと、「拾う」という章でのごみ問題も興味深かった。

 なんとなく知っていたけど、スーパーやレストランから出る食品廃棄問題は相当深刻だと感じた。

 都心のゴミについてのレポートでは、お菓子やその原料となる生地や生クリームが毎日大量に捨てられているという。牛丼チェーンでは、50人分の牛丼パックが捨てられていたこともあるという。

 食べ物だけでなく、靴や酒、まだ使えるコピー機などさまざまなものが捨てられているそうだ。非常にもったいない話である。

 普段お金を出して買っているものが、裏では大量にゴミとして捨てられていると思うと、「なんだかなー」と思ってしまう。

 

 野菜を育てることにも言及されていた。

 ネギは、根のほうから10センチほどを切りとり、土に埋めておくだけで葉が生えてくる。うまくいけばこれだけで数年間ネギを買わずにすむ。

 

 ニンニクは房ごとに分けて土に埋めておけばそこから芽が出る。

 

 ミョウガは日陰に植えておけば、手入れ不要で手に入る。

 

他にも、0円で利用できるサービスがいろいろと書かれているが知っていることが多かったので割愛。

 

 

感想

 この前エコリングの社長が出ているテレビ番組を見ていたら、社長がこんなことをしゃべっていた。

 

 「豊かに生きようと思ったら、収入を増やすか、支出を抑えるかのどちらかしかない」

 

 本書は後者のやりかたを教えてくれる。

 僕はお金を稼ぐ能力も意欲も乏しいので、支出を抑える方法を模索している。そういう意味で、本書はためになる情報がけっこう載っていた。

 

 個人的には、もっとたくさんの人が、収入を増やすよりも、支出を抑える生活を目指すべきだと思っている。

 その理由は、

・今後AIの普及やグローバル化で、収入を増やすことが困難になるから

・支出を抑える生活のほうが、環境のためになるから

 

 多くの人がモノやサービスを共有して支出を抑える生活をしたほうが、環境のためになる。それだけ消費されるモノも少なくなるのだから。

 

 シェアする文化がもっともっと拡がっていけばいいなぁ。