ブログを始めて三か月、気づいたこと

 ブログを始めて三か月たった。

 

  この三か月、ほとんど毎日書いてきた。

 気づいたのは、どんどん自分の書く文章が薄っぺらになってきていることだ。

 

 二か月目までは、少なくとも自分は満足できる文章を書けた日が多かった。

 でも三か月目になって、自分すら満足できない文章が増えてきた。

 同時に、自分の書きたいことを表現する力が明らかに足りないと思うようになった。

 

 書きたいことがあるのに、それを表現することができずもどかしい。

 

 苦しい

 

 

 自分は一体何のためにブログをやっているんだろうと思うことも増えた。

 

 最初は誰かに自分の考えていることを伝えたいと思っていた。

 大学の卒論が教授に褒められたこともあって、自分の考えは独創的でとても価値があると思っていた。

 でも、自分は難しい言葉を振り回すばかりで万人に理解される文章ではないと気づいてからモデルチェンジしようと試みた。

 そうしたらうまく文章が書けなくなってしまった。野球選手がイップスになったような感じで、以前は言葉が湧くように出てきたのに今は枯れてしまっている。うまい具合に書けない。

 

 新しい文体に慣れていないからなのか。それとも、もともと書く力がなかったのか。

教授に褒められたのは、たまたまだったからなのか。思いっきり振ったバットに奇跡的にボールが当たってホームランになっただけなのか。

 

 なんにせよ、今の僕には書きたいことを表現する力が足りない。

 

 だからブログを使って少しずつ書く力をつけていこう。

 

 そこで、だ。

 毎日文章を書くべきなのか、それとも日をあけて書くべきなのか。

 どちらがいいのだろう?

 

 この三か月ほとんど毎日書いていたら文章が薄っぺらになった。

 これをどうとらえればいいのだろう。

 千本ノックと同じで、ただひたすら書いていけば文章能力は向上するものだろうか。

 

 それとも、思考がある程度煮えてきた段階で書くべきなのか。

 

 どのような努力が正しい努力か分からない。

 

 

 

 

初心者の僕が副業を始めて一ヶ月たったのでまとめておく

二月末で会社をやめた。

ニートになったわけだが、収入0では生きていけないので世間でいう副業を始めた。

 

まずどんな副業があるのか調べるところから始まった。それまで副業って何ぞや?というレベルだったが、雑誌やネットで調べてみるとけっこういろんな仕事があって面白かった。

 

副業として代表的なものは、並び屋、治験、メルカリ、アンケートモニター、ネット副業、ウーバーイーツ、ミステリーショッパーなどなど。

けっこういろいろあるんだなぁ。

 

いろんな副業があるなかで、三月から何個かぼちぼち始めた。副業を始めて一ヶ月たったので、その結果をまとめる。

 

治験

治験や臨床試験のモニター参加なら日本最大のVOB!

このサイトに会員登録して参加できる治験を探した。

三月に一つだけ参加した。

 

・新しい化粧品のモニター

 開発中の化粧品を背中に塗ってどのような反応があるか調べるモニター。

 三日間病院に通う。一回あたりの所要時間は10分くらい。化粧品を含んだシールを貼った。

 病院に行く。当該箇所の写真を撮る。終わり。めっちゃ楽。

 今のところ副作用?はないし、これ以上楽な仕事もないと思った。

 

 報酬・・・8000円(交通費込み)

 

アンケートモニター

アンケートモニター募集中|マクロミルモニタサイト

このサイトに会員登録して毎日届くアンケートに答える。

アンケートに答えるとポイントがもらえる。たまったポイントは換金したり、家電などと交換できたりする。

アンケート一つは基本的に2~3ポイント(つまり2、3円の価値)で、20~30ポイントもらえるアンケートもある。

数千ポイントもらえる商品モニターのアンケートもある。こういうのは抽選に当たらないと参加できない。

 

一日だいたい15分くらいアンケートにこつこつ答えた。

一つのアンケートは2,3分で終わる。長いのでも10分くらい。空いた時間でぽちぽちできるので暇つぶしにもいい。

 

一ヶ月で1201ポイント(1201円分)稼いだ。

2~3ポイントのアンケート165件

数十ポイントのアンケート31件答えた。

 

やればやるほどランクが上がってもらえるポイントも増えていくので、継続するのが大事!

 

<a href="https://monitor.macromill.com/lp/ankeitou.html?entry_kbn=240&int_id=Z20330396A" target="_blank" title="アンケートモニター登録"><img src="https://monitor.macromill.com/int/banner/ankeitou_728_90.jpg" border="0" width="728" height="90" alt="アンケートモニター登録" title="アンケートモニター登録"></a>

 

興味があればこちらからどうぞ!

登録してアンケートに答えればいきなり30ポイントもらえます!

 

メルカリ

家にあった雑誌やデジカメなどいろいろ出品した。

 

壊れたデジカメや雑誌など売って計1520円。

ネットのフリマなんて初めてだったがメルカリは楽だった。

梱包してコンビニかヤマトにもっていく。それで終わりだった。

一部専用の梱包ボックスを買わないといけないためお金が必要だったが、基本的にお金は必要ない。梱包も慣れればすぐにできる。

 

クラウドワークス

https://crowdworks.co.jp/

クラウドワークスというウェブ上で完結する仕事を始めた。

ここではアンケートに答えたり、記事を作成したり、ブログ運営したりといったさまざまな仕事が募集されている。

副業にはもってこいで、初心者むけの仕事もあれば、上級者向けの仕事もあって幅広い。

 

僕はまったくの初心者なので、誰にでもできる仕事をやっている。

 

アンケートに答える仕事 

2、3分で終わる。報酬7円

 

1000字の記事を書く 報酬44円

 

毎日送られてくるメールの感想を書く

一日一通×5日            報酬104円

 

リライトの仕事

業界用語を分かりやすく説明しなおすリライトの仕事

200字で100円 300字以上で150円 500字以上で250円というふうになっている。

10記事納品 報酬1296円

 

20記事納品 報酬2765円

 

最初慣れるまでは時給300円くらいのペースでやっていたけど、少し慣れてきて時給500円くらいのレベルになった。

リライトは初心者にはちょうどいい仕事。知識が増えるのもいい。

 

 

副業というものをまったく知らない状態で始めて一ヶ月がたったが、上記の副業の報酬を全部合わせると14937円

 

まぁこんなもんかな。

 

副業がいいのは、とにかく自由だということ。自分のペースでできる。

ここ最近は毎日のように、高校野球を見に甲子園に行くので何もしていない。

だからといって何も言われない。

納期もないし、ノルマもない。

 

慣れればもっと稼げそう!

とにかくストレスがない!

満員電車に乗らなくていい!

 

一日に副業にかける時間は、平均すれば数十分程度だと思う。

まったく知識も技術もないが、意外と稼げることがわかった。

暇つぶしにしてもちょうどいい。

毎日更新しないとアクセス数が減るようです

3月23日にセンバツ高校野球が始まった。

 

僕は大の高校野球ファンなので、ほとんど毎日甲子園に行っている。

 

朝早くに家を出て、遅くに帰ってくる。

 

ここ数日ブログを更新したりしなかったりした。

 

そしたら、アクセス数が大幅に減った。はてなスターも減った。

 

もともと少ないのだけど、毎日更新しなかったらけっこう減った。

 

ついでに、書くモチベーションも落ちた。

 

アクセス数が減ったからというより、毎日書く習慣が途切れたから腑抜けになってしまった。

 

それでも悪いことばかりではなく、アクセス数とかはてなスターとか、そういうものが割とどうでもよく思えるようになった。

 

まぁぼちぼちやってこうと、そんなふうに思えるようになった。

 

ウサギみたいに急ぐより、カメのようにゆったり行くほうが長続きするってもんだ。

 

 

まじ!?使用済みの山陽電車1dayパスを台湾に持っていくと一日乗車券に変わる!?

 

 今日山陽電車に乗っていたら、使用済みの1dayパスを台湾に持っていったら一日乗車券と交換してもらえるという趣旨の広告が吊り下げられていました。

 

 なんちゅう太っ腹!まぁ、台湾に行くことなんてないんだけど(笑)

 

 残念ながら期間が2019年3月31日までで、あかんやんと思ったんだけど、調べてみたらこの企画は2017年からやっていて好評なので毎年やっているらしいです。

 だから、おそらく4月以降もこの企画は続くものと思われます。

 

 そりゃ、使用済みのゴミが台湾なら一日乗車券になるんだからなぁ。

 

 企画としては、使用済みの1dayパス一枚とパスポートを「台北駅」か「瑞芳駅」にもっていくと「東北角一日乗車券」と交換してくれるというもの。

 

使用済みの1dayパスは以下の八種類です。


阪神・山陽シーサイド1dayチケット」
「三宮・姫路1dayチケット」
阪神明石市内1dayチケット」
「三宮・明石市内1dayチケット」
「垂水・舞子1dayチケット(阪神版)」
「垂水・舞子1dayチケット(三宮版)」
「明石・垂水1dayチケット」
「垂水・姫路1dayチケット」

 

有効区間は平渓線・深おう(さんずいに奥)線・瑞芳駅~頭城駅の区間

 

 この区間で有名な観光地といえば、九份(きゅうふん)があります。

 『千と千尋の神隠し』のモデルとして知られているところです。

f:id:matsudama:20190328225527j:plain

wikipediaより

 

 数年前に行きましたが、ノスタルジックでいいところでした。

 

 関西圏に住んでいる人なら、使った1dayパスを捨てずに持っておけばいいです。

 

 では、関西圏以外の人は・・・。

 メルカリに売っているかもしれませんね。

 僕は今日3枚出品しておきました。

 

台湾に旅行に行くなら、1dayパスを持っていけば交通費が浮きますよ!

 

 企画の詳しい案内は以下の山陽電車のホームページの載っています。

www.sanyo-railway.co.jp

 

 

 

 

 

現地観戦とテレビ観戦の違い

  3月23日から甲子園でセンバツ高校野球が始まっています。

 

 僕は高校野球が大好きなのでよく観戦しています。

 テレビでも見ますし、甲子園にも足を運びます。

 

 スポーツ観戦が好きな人はよく試合を見ると思いますが、現地で観るのとテレビで観るの、どちらが好きですか?

 どちらもメリットがありますよね。

 

 甲子園で観戦するメリットとしては、

・雰囲気が味わえる

ブラスバンドの美しい音色が聴ける

阪神園芸の芸術的な整備が堪能できる

・試合前の練習風景を見ることができる があげられます。

 

 やっぱり現地で観戦する最大のメリットは、雰囲気が味わえることですよね。

 

 「甲子園には魔物が潜む」とよく言われます。

 魔物とはおそらく観客のことだと思いますが、観客の作り出す雰囲気が魔物と化して、甲子園が独特の、何ともいえない舞台になります。観客が試合の流れを大きく変えてしまうこともあります。あの異様な雰囲気は現地でないと味わえない。

 

 ブラスバンドもすごいです。

 甲子園では各校のブラスバンドによる応援があるのですが、全国大会で金賞を受賞するような学校の応援が生で聴けちゃいます。試合そっちのけで聴きに来る人もいるくらいです!往年のヒットソングからクラシック音楽まで、幅広い音楽をブラバンが演奏しています。

 今年のセンバツには出場しないのですが、東邦高校の応援で大阪桐蔭高校ブラバンが演奏します。今日甲子園で聴いてきたのですがやっぱりいいですね。本当にぜいたくです。

 あとは習志野高校。「美爆音」と形容されるものすごい音を甲子園にとどろかせます。音量が他の高校とは段違いでした。

 

 阪神園芸の芸術的なグラウンド整備も現地でないと堪能できません。

 甲子園の土も芝も本当に美しいのですが、あれは阪神園芸のおかげです。

 いつもありがとうございます!

 

 

 一方、テレビで観戦するメリットとしては、

・リプレーを見ることができる

・解説が聴ける

・面白いアナウンスが聴ける があげられます。

 

テレビでいいのはやっぱりリプレーがあることですかね。

たまにボーッとして華麗なプレーを見逃すことがあります。

現地で観てるとどうしようもないのですが、テレビだとリプレーがあるので見直すことができます。

 

解説が聴けるのもいい。

僕は高校野球をしょっちゅう観るけど、素人で知識がないので解説を聞きながら観たいですね。今は県岐阜商高校の監督をされている鍛治舎さんの解説が好きでした。あと、杉本慎吾さんのしゃがれた声もいい。

 

NHKのアナウンサーで小野塚康之さんという人がいるのですが、彼のアナウンスは本当に熱が入っていていい!

高校野球が大好きなんだという雰囲気がテレビの向こうから伝わってきます。

好きが高じて本まで出版しています。

 

甲子園「観戦力」をツーレツに高める本 (中公新書ラクレ)

甲子園「観戦力」をツーレツに高める本 (中公新書ラクレ)

 

 

 NHKのアナウンサーはみんな冷静沈着なアナウンスをされていますが、小野塚さんの高校野球アナウンスはもう本当にわくわくしてテンションが高いです。

 小野塚さんは他の番組では普通なんですが、高校野球のアナウンスになると別人になります。

 

以上が現地観戦とテレビ観戦の違いでしょうか。

他のスポーツだとまた違うんでしょうが、甲子園は以上の違いがあります。

 

今日が四日目ですが、うち三日は甲子園で観戦しています。

明日も行きます。本当に高校野球は面白いですね。おやすみなさい。

 

 

 

 

『ゲーデル、エッシャー、バッハ』と『ファイトクラブ』(ネタばれ注意)

映画『ファイトクラブ』を観ました。

 

今まで観た映画のなかで五本の指に入るすばらしい映画。

 数年前にも観たんだけどストーリーが難しい。でも、今回もう一度見直して理解し、やっぱりこの映画はすごいと感心しました。

 

この映画についてはネットでいろいろな解釈がされているんだけど、僕自身の解釈はそれとはまた違うので書いておこうと思います。

 

ファイトクラブ』は自己言及の物語


The Bizarre Ending Of Fight Club Explained

 

 

 

dude1995.hatenablog.com

 

あらすじを書くのは面倒なので、上の記事を貼っときます。

 

僕の解釈では、これは自己言及の映画です。

 

この映画は消費社会を痛烈に批判します。

“僕”の分身であるタイラー・ダーデンは映画のなかで言います。

 

「我々は消費者だ。ライフスタイルに仕える奴隷。殺人も犯罪も貧困も誰も気にしない。それよりアイドル、テレビ、ダイエット、毛生え薬、インポ薬にガーデニング…。何がガーデニングだ!タイタニックと一緒に海に沈めばいいんだ!」

 

 哲学者ボードリヤールが指摘したように、現代社会の人間は記号を消費する生活に追われます。

 

 インスタ映もその一つ。

 インスタに映えるような場所に行ったり、食べ物を撮ってアップする。すると、みんなが殺到する。場所や食べ物が一個の記号として消費されるのです。

 

 生活に必ずしも必要でないものを次々に買いこみ消費するライフスタイル。

 タイラーが言うように、ぼくたちは記号を消費するライフスタイルの奴隷です。

 

 でも、物をナナメに観る人はこう批判するでしょう。

この映画は消費社会を批判しているけど、この映画自体も消費される一個の記号にすぎないでしょ?

 

 たぶんデイビッド・フィンチャー監督は、その批判は想定内だったと思います。

 だから物語の最後のほうに、男性器を映したポルノ画像を一瞬挿入した。

 

 どういうことか説明します。

 映画のなかでタイラー・ダーデンは映画技師として働いています。

 彼はいたずら好きで、子ども向けのファミリー映画に一瞬だけポルノ映画のフィルムを挿入します。そうやって観客を不愉快な気分にして、物語を台無しにする。

 

 『ファイトクラブ』の最後は、“僕”とマーラーが手をつないで爆破されるビル群を眺めているところで終わります。

 “僕”は最初マーラーが嫌いだったのに、最後には恋人の関係になっている。なんかハッピーエンドの恋物語みたいになって終わろうとしているのですが、監督はそんなシーンにポルノ画像を一瞬挿入して物語をぶち壊す。

 

 監督は、消費社会に反旗を翻すタイラーと同じことをして物語をぶち壊すことで、『ファイトクラブ』という映画が一個の記号として消費されることを拒否しようとしたのではないでしょうか?

 

 実際監督もタイラーと同じ価値観を持っていて、フォックスという巨大な映画会社から70億円もの予算を引き出すことに成功しています。後年、フィンチャー監督は「この映画にあんなに予算をつけるだなんて、奴らは本当にアホだよな!」と嘲笑ったらしいです。

 消費社会の一翼を担うフォックスに一泡ふかせてやったのです。

 

 以上が『ファイトクラブ』が自己言及の映画だと思う理由です。

 

この意味でいけば、『ファイトクラブ』とゲーデルエッシャー、バッハは共通しています。

 

ゲーデル、エッシャー、バッハ―あるいは不思議の環 20周年記念版

ゲーデル、エッシャー、バッハ―あるいは不思議の環 20周年記念版

 

 

 作者のダグラス・ホフスタッターは、ゲーデル不完全性定理も、バッハの音楽も、エッシャーの絵もすべて自己言及というキーワードでつなぐことができるといいます。

 

 

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wikipediaより

 

 これはエッシャーの作品で、右手が左手を描き、左手が右手を描いています。

 これも自己言及ですね。

 

 僕は『ゲーデルエッシャー、バッハ』に挑戦したのですが、あまり理解できなかったので、以下の書評を貼り付けておきます。

 

dain.cocolog-nifty.com

 

 人間てのは、本当に不思議な存在ですね。

バカンス中のフランス人が発狂しないのはどうしてなのか

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  1 日本人の多くは長期休暇を歓迎していない

 

  今年のGWは10連休なので喜んでいる人も多いのではないだろうか?

 

 しかしどうやらそうでもない人もけっこう多いようだ。

 昨日スマートニュースを見ていたら、GWに10連休していたら生活が苦しくなるので、GW中にできる短期バイトを探している人の記事があった。

 

 その人は派遣社員で時給制なので、10連休もしていたら手取りが大きく減ってしまう。時給1200円×8時間労働で一日9600円の彼が10連休すれば、96000円分の手取りが減ってしまう。

 この穴埋めでGW中に短期バイトをしなければ6月の生活が苦しくなると訴えていた。

 

 大手旅行会社エクスペディアの調査によれば、GWの10連休が嬉しいか尋ねたところ、半数にせまる46%が嬉しくないと答えた。

 

 そう答えたのは、医師や弁護士などの専門家や主婦・主夫、パートやアルバイトだった。人手不足や、子どもが家にいるということで余計に忙しくなるからという理由からだ。

 

 時給制で働く派遣社員やフリーターは給料が減るから、専門職に就いている人や主婦・主夫は忙しくなるから長期休暇を歓迎していないことが分かる。

 

2 フランス人のバカンス

 バカンスとはフランス語で長期休暇という意味。

 フランスでは、最長5週間(35連休)のバカンスが認めらている。

 

 GWの10連休に辟易している日本人は、35連休なんて言われたら発狂してしまいそうだ。フリーターなんて「どうやって生活していけばいいのか・・・」と頭を抱え込むに違いない。

 

 しかし、バカンス中のフランス人は発狂しない。それはなぜだろう?

 

 フランス人は、仕事は人生の一部と考えている。休日は人生を充実させるために必要なものと認識している。

 

 フランス人のバカンスでの過ごし方は、基本的に家族でゆっくり過ごす。

 観光地をあちこち旅行するのではなく、田舎や自然の多いところで穏やかに暮らす。

 

 一般的にバカンスは高級リゾートで遊ぶというイメージがあるが、田舎や自然の多いところで家族でキャンプをしたりして過ごす人も多い。北部と南部の人たちでお互いの家を交換してバカンスを過ごすという人たちもいるようだ。

 バカンスは本当の意味での「休日」で、家族とゆっくり過ごしてエネルギーを充実させるための期間と位置づけられている。

 

 フランスではバカンスは主に夏に取得される。暑い夏に休むためだ。

 この時期、大都市の経済はストップする。工場やオフィス、商店などは閉鎖してしまうのでパリなどの大都市は閑散としたものになる。みんなが避暑地に移動するのだ。

 その代わりに田舎や自然の多いところの経済が潤う。そういう仕組みが出来上がっている。

 

 3 バカンス法

 

 フランスではバカンスが法律で定められている。バカンス法というものがあるのだ。

 歴史をひもといてみると、19世紀における長期の余暇は、貴族やブルジョワ階級といった位の高い階層のみ享受しているものだった。

 

 20世紀に入り社会主義政党が躍進すると、労働者階級にも長期の余暇を認めるべきだということで、二週間の長期休暇が認められることになった。1930年代のことである。

 これが次第に三週間、四週間と伸びていき現在の最長五週間になった。

 

 バカンス法では、一ヶ月に2.5日、年で30日の有給が認められている。これは企業で10日以上働いた者にすべて適用される。この適用に管理職や労働者といった区別はない。

 休暇の取得は連続して12労働日以上でなければならず、24日を超えることはできない。

 有給休暇における手当は、年収の十分の一、あるいは休暇期間に働いたときに払われる分に相当する金額となる。

 

 これに加えて勤続年数が長ければ、さらに休日を取得できたり手当が割り増しされる。

 また専門職や管理職には、労働時間の短縮日や有休の特別加算などが付与される。

 

4 フランス人の労働生産性は低くない

 

 バカンスは法律で定められているものであり、階級や階層に関係なく国民全体が有給を取得するのは当然のことと考えているので、みながきっちり休める。

 企業も有給をちゃんと支払う(そんなことは当たり前のことなんだけど)し、そもそもバカンス中は閉鎖してしまう。経済自体がストップするので、専門職や管理職でもちゃんと休むことができる。

 

 フランス人にとって仕事は人生の一部にしかすぎないが、だからといって仕事に対して不真面目というわけではない。

 バカンスでしっかり休むことによって、仕事へのエネルギーも充電されるのだ。

 

 2016年のOECDによる労働生産性の調査では、フランスは一人当たり104,345ドルで加盟諸国のなかで8位。

 一方日本は、81,777ドルで21位だ。

 

 フランス人のほうが日本人よりも生産能力が高いということだが、たぶんこれは能力の問題ではないだろう。

 

 どんな人間だって疲れていたらパフォーマンスが低下する。一方しっかり休んで気力が充実していたら力が発揮できる。

 フランス人が日本人よりも生産性が高いのは、しっかり休んでいるからだ。

 逆に日本人の生産性が低いのは、サービス残業や休日出勤などによって生活のメリハリが失われ、疲れている状態で働いているからだ。

 

5 日本は社会全体で変わる必要がある

 

 フランスではバカンスのための社会的インフラが整っている。

 安価で長期滞在できる民宿や別荘、キャンプ場が各地にある。

 低所得者層には、バカンス用の交通費や滞在費が公的に扶助される。

 

 バカンスが取得される夏には、役所や企業、工場、商店すべてが休眠してしまうのでまともな生活を送るのが大変になる。

 それでもかまわないと多くのフランス人が考えているからこそ、バカンスが文化として根付いている。


 

 冒頭にも書いた通り、企業は時給制で働く人の生活を保障してくれないので、嫌でもGW中に働くことになる。
 

 日本人の多くがGWの10連休を歓迎しないのは、働きたいからではないだろう。

 働かざるをえないから歓迎しないのだ

 

 この前経済雑誌を読んでいたら、GWの10連休なんてもってのほかだという主張をす る記事があった。小泉元首相の秘書だった飯島勲が執筆した記事である。
 時給制で働く非正規雇用の人は、その期間中働けないから手取りが少なくなる。そういう人たちの生活はどうなる?彼らはもっと働かないと生活していけないのだから、GWの10連休は論外だという主張だった。

 え?
 この人には、休暇中の給料を保障してあげようという発想はないのだろうか?
 まぁ日本の政治家や資本家にはそういう発想がないから、みんなへとへとになって働くんだろう。

 

 日本では有給を取得するのが困難だし、長期休暇なんてもってのほかだ。

 経済は需要と供給のバランスで決まることを考えると、消費者が多くのサービスを求めれば、供給する側は当然余計に働かなければならない。

 

 コンビニの24時間開けておく問題も、宅急便の人手不足の問題も、消費者が過剰なサービスを求めるからこうなっている。

 どんなに政府がプレミアムフライデーだとか働き方改革だとか言ったところで、消費者が過剰なサービスを期待し続ける限り、問題が解決することはない。

 

 日本は自分の首を自分でしめているように見える。

 

 労働者だけでなく、消費者も変わらなければいけない。

 

6 まとめ

 バカンス中のフランス人が発狂しないのは、企業や社会がバカンス中の生活を保障してくれるからだ。管理職だろうと労働者だろうと、バカンスを取得する権利を認められ、ちゃんと休ませてくれる。

 

 労働生産性のことを考えれば、企業や社会が日本人をもっと休ませたほうがいいことは明白だ。

 そして、消費者が過剰なサービスを期待しないこと。

 

 労働者と消費者、同時に変わらないと働き方改革は成功しない。

 

 参考論文

https://www.jil.go.jp/institute/zassi/backnumber/2012/08/pdf/045-054.pdf#search=%27%E3%83%90%E3%82%AB%E3%83%B3%E3%82%B9+%E7%A4%BE%E4%BC%9A%27